フェラーリ史上最強! V8ツインターボ×3モーターで1050ps発生

幾何学的なラインとワイドなスタンスが圧倒する、846テスタロッサのフロントマスク。
フェラーリが発表した新世代モデル「849テスタロッサ」は、1980年代に登場した伝説の「テスタロッサ」の精神を継承しつつ、現代の技術で進化を遂げたスーパーカーだ。
今回はクーペに加えて、史上初の市販オープントップ仕様「849テスタロッサスパイダー」も同時にラインナップされ、ブランドの新たな時代を象徴する存在となっている。
「テスタロッサ」という名はイタリア語で“赤い頭”を意味し、往年の赤いカムカバーを想起させる。フェラーリはこの名を冠する新モデルに、単なるノスタルジーではなく「未来のスーパーカー像」を込めている。

オープンエアを楽しむことができる849テスタロッサスパイダー。
849テスタロッサの最も注目すべき点は、その圧倒的なパワーユニットにあるだろう。国際的な賞を何度も受賞した3990ccのV8ツインターボエンジンは、全面的な再設計を経て、最高出力はSF90シリーズから50ps向上した830psにまで達している。
これに合計220psを発生する3基の電気モーターが組み合わされ、システム全体で驚異の最高出力1050psを誇る。この数値はフェラーリのプロダクションモデルにおける新記録であり、内燃機関と電動化の完璧な融合を証明するものだ。
最高速度は340km/h!効率面でも「最強」を狙う
このパワーユニットは高電圧バッテリーとインバーターを介して統合制御され、エンジンとモーターの出力を最適に配分する。結果として、0-100km/h加速は約2.8秒という驚異的な性能を誇り、最高速度は340km/hに達する。

3990ccのV8ツインターボエンジン単体の最高出力は830ps。
電動化のメリットは単なる加速力の強化だけではない。フロントモーターが前輪を駆動することで事実上の4WD化を実現し、路面状況を問わず安定したトラクションを確保。
さらにリアのモーターは加速時のブーストや回生制御に寄与し、パワフルでありながら効率的なドライブフィールを生み出す。
膨大な出力を支えるため、シャシには新設計のアルミニウムフレームを採用。従来比で剛性が大幅に高められ、スパイダーにおいても補強を加えることでクーペ同等のハンドリング性能を確保している。
サスペンションは電子制御ダンパーを備えたダブルウィッシュボーン式で、走行モードに応じて瞬時に減衰力を切り替える。街中では快適性を、ワインディングやサーキットでは卓越したスタビリティを提供する。
また、最新世代の電子制御システム「サイドスリップコントロール」や電子制御ディファレンシャルが導入され、1000ps超級のモンスター性能を誰もが安全に引き出せるよう設計されている。