トヨタ自動車は2025年9月19日、自動車製造工程で発生するシートレザーの廃材を活用し、新たな価値を創出するアップサイクルブランド「Tsugi-Craft by TOYOTA UPCYCLE」を立ち上げたことを発表した。

シートレザー端材がアートに変わる!職人技と工業技術の融合

「Tsugi-Craft」は、トヨタが推進するカーボンニュートラル活動「TOYOTA UPCYCLEプロジェクト」から生まれたブランドである。従来のアップサイクルは「エコ」や「カジュアル」といった価値観が中心だったが、トヨタはあえて“プレミアム”という領域に踏み込んだ点が大きな特徴だ。

画像: 大容量のトートは家族のお出かけにも最適。耐久性と上質感を兼ね備え、ライフスタイルを豊かに彩る。

大容量のトートは家族のお出かけにも最適。耐久性と上質感を兼ね備え、ライフスタイルを豊かに彩る。

素材として用いられるのは、自動車用シートに使用されるレザーの端材である。通常は廃棄される運命にある小さな断片を職人の手で継ぎ合わせ、一つの大きなパッチワークとして再構築する。

この工程は手間がかかるだけでなく、質感や耐久性を活かしながらデザインとして昇華させる高度な技術が求められる。トヨタは自社の工業製品の生産ノウハウに加え、日本のバッグ縫製工場の繊細な手仕事を融合させ、唯一無二の新しいものづくりを実現した。

ブランド名「Tsugi」には、素材を“継ぐ”、技術を“継承する”、人と人を“繋ぐ”、そして未来へ“繋げる”という複数の意味が込められている。単なるプロダクトブランドに留まらず、持続可能な社会を見据えた思想そのものを体現している点が印象的である。

“Tsugi”に込められたのは、ツギの技、ツギの人、ツギの未来

トヨタは「Tsugi-Craft」のコンセプトを「ツギの技」「ツギの人」「ツギの未来」という3つの視点で表現している。

画像: 端材レザーを継ぎ合わせたバッグは、男女を問わず自然に馴染むデザイン。シンプルな装いに映える上質な存在感を放っている。

端材レザーを継ぎ合わせたバッグは、男女を問わず自然に馴染むデザイン。シンプルな装いに映える上質な存在感を放っている。

まず「ツギの技」は、シートレザーをつなぎ合わせるパッチワーク技術そのものを指す。古くから伝わる生活の知恵と現代の生産技術を掛け合わせることで、捨てられる素材に新たな命を吹き込み、プレミアムなアップサイクルを形にしている。

「ツギの人」は、出来上がったバッグや小物を通して、人々が性別や年齢を問わず使えるデザインを目指している点だ。日常的に使いやすいアイテムであると同時に、持つ人の意識に「未来への共感」を宿すことが狙いといえる。

そして「ツギの未来」は、アップサイクルを文化として根付かせていく姿勢である。不揃いな廃材を集め、整え、製品へと仕上げる工程は容易ではない。しかし、その手間を惜しまず取り組むことこそが、未来につながる循環型の社会を築く礎となる。

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