食、花粉症、ペットとの共生・・・身近なテーマの革新を実証実験
「食」をテーマとした価値創造への取り組みとして、次の3社が斬新な取り組みを行うことを明らかにしている。

「食と栄養のあり方」や「食と健康寿命延伸との相関」をテーマに、ウーブンシティで中長期にわたる実証を重ねる日清食品株式会社。食を通じたWell-Beingの向上に取り組んでいくための取り組みだ。(写真:日清食品株式会社)
●ダイドードリンコ株式会社
配置薬業をルーツにもち、地域社会に深く根差した自動販売機を通じて多種多様な商品・サービスを提供し続けてきた企業として、自動販売機を通じた「新たな価値創造」に取り組む。「利便性」にとどまらず、「新しさ」や「楽しさ」、そして「社会課題の解決」といった価値の提供を目指し、新たな自動販売機ビジネスの創出を図る。
●日清食品株式会社
利用者がいつでもどこでも「最適化栄養食(見た目やおいしさはそのままに、カロリーや塩分、糖質、脂質などがコントロールされ、主要な栄養素がバランスよく適切に調整された未来の食)」を食べることができる環境を構築し、成人病の予防、メンタルヘルスに関わる指標の改善につながる可能性を秘めたその有効性を、中長期にわたり実証していく。
●UCCジャパン株式会社
オフィシャルローンチにあわせて、コーヒーの潜在価値を実証する未来型カフェをオープン。生活する人々の憩いとなるカフェとしての利用はもちろん、ポジティブな気持ちを生む、会話/ディスカッションの質や量が向上する、ポジティブな会話が増えるといった「コーヒーの有効性」に関する様々な仮説を検証する。
生活環境に関わる検証としては日々リアルに悩ましい身として、「空気で答えを出す会社」を掲げて空気の新たな価値の創造に取り組んできたダイキン工業株式会社の取り組みに大いに期待したい。空気中の花粉濃度を極限まで抑えた「花粉レス空間」や、空気環境と視聴覚情報のコントロールを通じてストレスの緩和や睡眠の質の向上につなげる「パーソナライズされた機能的空間」など、社会的な課題に直結する「解決策」の実証にはぜひ参加してみたいものだ。
ペット好きとして気になるのは共立製薬株式会社による「ペットと人が幸せに暮らす共生社会の実現を目指す」取り組みだろう。「動物と人の進む道を創る」をミッションに掲げる企業として、、ペットと人の共生を推進するための都市ガイドラインの策定やさまざまな都市機能の仕組み・ルール作り、交通インフラの検討等、各種取り組みの実証実験を行う予定だという。
ともに「カケザン」に挑む仲間たちを10月14日まで募集中
企業体としてのInventorsの活動としては、トヨタおよびウーブン・バイ・トヨタと業務提携に関する合意書を締結した、インターステラテクノロジズ株式会社もユニークな存在だろう。

Inventorとして参画するトヨタ自動車東日本株式会社は、自律走行ロボット「cocomo(ココモ)」の実証実験を行う。(写真:トヨタ自動車東日本株式会社)
ロケット事業と通信衛星事業を通じた宇宙の総合インフラ会社を目指す同社は、モノづくり分野での幅広い連携を通じ、強固な製造体制を確立、高頻度・低コストで打ち上げられる宇宙輸送サービスの実現を目指す中で設備や技術、サプライチェーンに関するノウハウや人的リソースの提供などについて、支援を受ける。
ほかに、株式会社豊⽥⾃動織機、株式会社ジェイテクト、トヨタ⾞体株式会社、豊⽥通商株式会社、株式会社アイシン、株式会社デンソー、トヨタ紡織株式会社、トヨタ⾃動⾞東⽇本株式会社、豊⽥合成株式会社、トヨタ⾃動⾞九州株式会社といったトヨタグループ企業も加わる予定だ。
そしてもうひとつ(というよりもうひとり)、オフィシャルローンチに合わせてカケザンへの個人の参加が明らかにされた。シンガーソングライターのナオト・インティライミ氏だ。「音に関する実証を行う」とともに、サウンドシンボルのプロデュースも決定している。
9月8日からはアーティストはもちろん、スタートアップや起業家、大学・研究機関といった団体、個人を問わない、アクセラレータープログラム 「 Toyota Woven City Challenge - 1 Hack the Mobility」の 募集を開始。日本のみならず世界中の「カケザンの卵」を、2025年10月14日まで受け付け中だ。