ホンダCR-Vの歴史
初代(1995年-2001年):「都市型SUV」という新ジャンルを確立
オデッセイに続くクリエイティブ・ムーバー第2弾モデルとして日本で発売。シビックのプラットフォームをベースに開発され、軽量ボディに4輪ダブルウイッシュボーンを採用した乗用車感覚の操縦性と、広い居住空間を両立して登場した。悪路走破性よりも居住性、実用性を重視し、それまでのSUVとは一線を画す都会的でスタイリッシュなエクステリア、リアドア内蔵テーブルなど独自の工夫を備え、「都市型SUV」という新ジャンルを確立した。当初は国内専用車として開発されたが、北米市場からの要望に応えて1997年に米国での販売を開始すると大ヒットとなり、その後は欧州やアジア地域でも販売が開始され、ホンダのグローバルSUV戦略の起点となった。

オデッセイに続くクリエイティブ・ムーバー第2弾モデルとして登場した初代CR-V。
2代目(2001年-2006年):ホンダのグローバルSUVとして存在感を高める
キープコンセプトながら、エクステリアをさらに都会的にし、パッケージングにも手が加えられて登場した。室内空間や使い勝手、4WDシステムもさらに進化した。しかし、日本市場ではブームの沈静化や多くのライバルの出現もあって初代モデルほど販売は伸びなかった。その一方で海外での人気を高まり、北米や欧州に加え、中国でも販売が開始され、ホンダのグローバルSUVとして世界各地で存在感を高めることになった。

ヒット作となった初代のコンセプトを受け継ぎながら進化して登場した2代目CR-V。
3代目(2006年-2011年):プレミアムクロスオーバーSUVへと成長
従来のスクエアなデザインから一新し、全体的に丸みを帯びたプレミアムSUVへと進化。2.4L i-VTECエンジンや新開発のサスペンションにより走行性能を高めるとともに、静粛性や乗り心地にもさらに磨きがかけられた。ボディサイズも拡大し、この3代目からグローバル・ライトトラック・プラットフォームをベースとすることで、車格は1ランク上がった。これは北米市場をはじめとするグローバル市場からの要求に応えたもので、プレミアムクロスオーバーSUVへと大きな一歩踏み出すことになる。

グローバル市場からの要求に応え、プレミアムクロスオーバーSUVへと一歩踏み出した3代目CR-V。
4代目(2011年-2016年):グローバル販売好調、累計販売500万台達成
滑らかで高効率な空力ボディや優れた燃費性能と乗り心地に加え、居住空間や荷室を拡大し、使い勝手を大きく向上させて登場した。4WDシステムを電子制御式を変更するなど悪路走破性も高められたが、グローバルモデルに進化した「CR-V」は日本市場にマッチせず、日本市場では2016年に世代途中で姿を消している。その反面、グローバル市場での販売はますます好調で、グローバル累計販売500万台を達成した。

日本市場にいまひとつマッチしなかったが、グローバル市場での販売は好調だった4代目CR-V。
5代目(2016年-2022年):初のハイブリッド搭載、累計販売1000万台達成
5代目は2016年10月に北米市場でデビュー。その後、中国、東南アジア、南米、欧州で販売開始。日本には2018年に遅れて登場した。注目はCR-V初のハイブリッドモデルが設定されたこと。ホンダの2モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」を搭載した環境対応モデルとして、新たな歴史を刻んだ。さらに日本では、CR-Vとして初めて「Honda SENSING(ホンダ センシング)」を全グレードに標準装備し、安全・安心装備を充実させた。2018年にはグローバル累計販売1000万台を達成した。

2016年に北米市場でデビュー。日本には2018年に遅れて登場した5代目CR-V。
6代目(2022年-):e:HEV搭載、e:FCEVも登場
2022年には6代目となる新型CR-Vが登場。力強く洗練されたデザインと拡大された室内空間に加え、2モーターのe:HEVによる力強い走りが特徴で、すでに北米や中国を中心に好調な販売を記録している。2024年にはこの6代目をベースに、外部から充電可能なプラグイン機能を持つ燃料電池自動車「CR-V e:FCEV」を発売、こちらは日本にも導入されている。新型6代目「CR-V」はまだ日本に導入されていないが、近々日本での本格的発売も予定されている。2025年8月にグローバル累計販売台数は1500万台を達成した。

北米市場ではすでにデビュー。日本市場でも近々発売が予定されている6代目CR-V。