ここから8週で6戦の超過密スケジュールに突入
前戦シンガポールGPでは、メルセデスのジョージ・ラッセルが予選最終セッションでコースレコードをマークした速さそのままに、追うレッドブルのマックス・フェルスタッペンに1周につき0.5秒の差をつける圧倒的なスピードを披露して、ポールポジションから一度も首位を譲ることなくパーフェクトな勝利を挙げた。

前戦シンガポールGPの表彰台。メルセデスのジョージ・ラッセルが圧勝、2位にレッドブルのマックス・フェルスタッペン、3位にマクラーレンのランド・ノリスが入った。
そのシンガポールGPでマクラーレンは、6レースを残して2年連続のコンストラクターズタイトルを確定したが、ここ3戦で勝利を逃しており、ライバルとの差は少し縮まったようにもうかがえる。
今週末の第19戦アメリカGPからは、オスカー・ピアストリとランド・ノリスの、マクラーレンのチームメイト同士のドライバーズタイトルを賭けた戦いに焦点が移るが、フェルスタッペン、ラッセルも可能性を十分に残しており、マクラーレンのふたりもライバルチームの台頭にも注意が必要だろう。
シーズンはここから8週で6戦と超過密スケジュールに突入するだけに、アメリカGPでの力関係が大きく変化することは考えにくく、その意味でもアメリカGPは重要な一戦となりそうだ。
【参考】2025年F1第18戦シンガポールGP決勝 結果
1位 63 G.ラッセル(メルセデス)62周
2位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)+5.430s
3位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス )+6.066s
4位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+8.146s
5位 12 K.アントネリ(メルセデス))+33.681s
6位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+45.996s
7位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・メルセデス)+80.667s
8位 44 L.ハミルトン(フェラーリ)+85.251s
9位 87 O.ベアマン(ハース・フェラーリ)+93.527s
10位55 C.サインツ(ウイリアムズ・メルセデス)+1L
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11位 6 I.ハジャー(レーシングブルズ・ホンダRBPT)+1L
12位 22 角田裕毅(レッドブル・ホンダRBPT)+1L
15位 30 L.ローソン(レーシングブルズ・ホンダRBPT)+1L
ファステストラップ 44 L.ハミルトン(フェラーリ)
2025年F1ドライバーズランキング(第18戦終了時)
1位 81 O.ピアストリ(マクラーレン)336
2位 4 L.ノリス(マクラーレン)314
3位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル)273
4位 63 G.ラッセル(メルセデス)237
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)173
6位 44 L.ハミルトン(フェラーリ)125
7位 12 K.アントネリ(メルセデス)88
8位 23 A.アルボン(ウイリアムズ)70
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16位 22 角田裕毅(レッドブル)20
2025年F1コンストラクターズランキング(第18戦終了時)
1位 マクラーレン 650
2位 メルセデス 325
3位 フェラーリ 298
4位 レッドブル 290
5位 ウイリアムズ 102
6位 レーシングブルズ 72
7位 アストンマーティン 68
8位 キックザウバー 55
地形を生かしたアップダウンに富むチャレンジングなコース設定
ではアメリカGPの舞台となるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(Circuit Of The Americas=COTA)はどんなコースなのだろうか。

名物のタワーから見たサーキット・オブ・ジ・アメリカズ。地形を生かして設計され、多様な高速コーナーがある一方で、低速コーナーも多く、しかも起伏に富んでいる。
サーキット・オブ・ジ・アメリカズは2012年ににF1グランプリ開催のために建設されたサーキットで、テキサス州オースティンにある。
コースは反時計回りで、急勾配を駆け上がるターン1や多様な高速コーナー、ロングストレートなど見どころも多く、地形を生かしたアップダウンに富むチャレンジングなコース設定はドライバーからも人気が高い。とくにオープニングラップの1コーナーはドライバーが最適なラインを見つけるためにさまざまな方向に向かうため興味深いものになる。
また、この時期は短い周期で天候が変わりやすく、 晴れの日と雨の日が交互に訪れたり、気温の変化が大きくなることがあるので、それもチームにとっては悩ましい。
今年もスプリントフォーマットで行われるので、金曜日の午後早くの1時間しかないフリープラクティスでできるだけ多くのデータを取得することが重要になる。

サーキット・オブ・ジ・アメリカズのコースレイアウト。反時計回りの全長5513mのコースに多様な20のコーナーが配される。チャレンジングなコース設定はドライバーからも人気が高い。