イタリア本国以外では初めて日本で展開

日本で最初にマセラティ クラシケの認証を受けた、1967年型のインディ。
「マセラティ クラシケ」とは、マセラティのクラシックモデルを保存、修復、正統性を認証するためのヘリテージプログラムとして、2021年にイタリア本国で開始された。このプログラムでは、歴史的なモデルの正統性を審査・検証し、認定証を発行することに加えて、スペアパーツの再生産や、車両レストアのサポートなどのサービスを展開していく。
イタリアでは1969年製の「ミストラル3700」に初めて認定証が発行されてから、いままでに世界各国から申請のあった100台近くのマセラティ車が審査を受け、その正統性を証明する認定証が発行されている。多くはイタリアを中心とした欧州からだが、日本や米国からも申請がある。
2025年4月に「マセラティ クラシケ」がイタリア以外では初めて日本のオーナー向けにも展開することが発表され、2025年は後述する6台のモデルがその認証を受けており、今回、メディアに向けて認証プロセスが実車を前に紹介された。

実車でプロセスの概要を紹介する、マセラティ クラシケのクリスティアーノ・ボルツォーニ マネージャー。
これまでは、認証されるためにはイタリア本国にクルマを送らなければならなかったが、今後はイタリアから認定担当者が来日して日本国内で検査・認定を行うことで、オーナーの負担は大幅に軽減される。
「マセラティ クラシケ」の対象車は、1980年までに生産された「オールドタイマー」、1981〜2001年に生産された「ヤングタイマー」、そして「レースカー」に大別される。まず、オーナーはクルマを直接見てもらう前に、事前に認定フォームで、エンジンやシャシナンバー、刻印、スペックやオプションなどの詳細を入力して報告し、クルマの正統性を確認してもらう。
正統性が確認されると実車を預かり、状態を確認しながら記録・撮影していく。塗装の状態、エンジンは各シリンダー内部など、技術的かつ物理的にチェックして、マセラティ本社のアーカイブと照合していく。こうした作業を本国では1台につき3名で取りかかり、7〜8日間かけて認証作業を進めていく。