オジェとロバンペラの一騎討ちはオジェのコースアウトで決着
8回目のタイトルを目指してポイントリーダーに立つセバスチャン・オジェと、このラリー直前に今季限りのWRC引退と来季のスーパーフォーミュラ参戦を参戦を発表したロバンペラ。第4戦のラリーカナリア諸島以来のターマック戦となったセントラル・ヨーロピアン・ラリーは、序盤からトヨタが誇るふたりのチャンピオンの一騎討ちとなった。
木曜日のデイ1、そして金曜日のデイ2はふたりがほぼベストタイムを分け合うような形で進行。オジェが差を広げれば、すぐにロバンペラも詰める接戦が続き、わずか0.6秒差で迎えた土曜日、ラリーが動く。この日のオープニングとなったSS9でベストを出したロバンペラが総合順位で初めてオジェに先んじて首位に立ったのだ。

8回目のドライバーズタイトルに意欲を見せるセバスチャン・オジェ。セントラル・ヨーロピアン・ラリーは、序盤からロバンペラとの一騎討ちとなった。

このラリー直前に、突然今季限りでのWRC引退を発表したカッレ・ロバンペラ。3度目のタイトルに向けて調子を上げてきた。
そしてその直後のSS10、このラリー最大の事件が起きた。ステージ後半の高速右コーナーで、オジェのGRヤリス・ラリー1がコースアウト、アウト側の立木に激突したのだ。
「どうやら左のフロントタイヤがパンクしていたようだ。でも、いつもは空気圧の低下を知らせてくれる車内のインジケーターがなぜか作動しなかった。気付いたのは高速コーナーに進入した後。突然アンダーステアが出てコース脇の溝に落ち、その先にある木に激突してしまった」と無念そうに振り返ったオジェはここで痛恨のデイリタイアとなる。
これでロバンペラは楽になった。この時点で、それぞれ2、3番手に浮上したエバンスとタナックとの差は40秒前後、その後は無理なアタックを避け、ペースをコントロールしてフィニッシュを目指すことになった。

SS10、ステージ後半の高速右コーナーで痛恨のコースアウトを喫したセバスチャン・オジェ。GRヤリス・ラリー1はアウト側の立木に激突。