次世代の軽自動車はシリーズハイブリッド化か
2025年10月29日〜11月9日の期間に東京ビッグサイトで開催される自動車の祭典 ジャパンモビリティショー2025で、南展示棟1階の南1・2ホールにブースを構えるダイハツは「わたしにダイハツメイ。小さいからこそできること。小さいことからひとつずつ」をテーマとし、コンセプトカーや市販予定車、先行スタディ車両など合計8台を展示している。
なかでも注目を集めるのは「K-VISION」と「K-OPEN」ではないだろうか。まずはここから紹介していこう。いずれも名称に「K-」とあるとおり軽自動車規格で開発されているモデルであるが、パワートレーンは大きく異なる。
全長3395×全幅1475×全高1680mmのボディサイズとするKヴィジョン(K-VISION)は、軽自動車のなかでもスーパーハイトワゴンにカテゴライズされるモデル。電動化を見据えた次世代のDNGAプラットフォームを採用してエンジンを搭載する。ただし駆動はすべてモーター・・・つまりエンジンは発電に徹するシリーズハイブリッドということになる。

次世代タントを想起させるボディサイズのKビジョン。シリーズハイブリッドパワートレーンを採用する。
コンパクトカーのロッキーに搭載されているシステム「eスマートハイブリッド」をさらに小型・軽量化することで、エンジン+CVTによる従来のパワートレーンよりも燃費を約20%向上させるという。しかも、エンジンによる発電を行っていない間はモーター駆動ゆえの静粛性を実現、また外部給電機能を備えることで4日分(燃料満タン、消費電力400Wで供給した場合の目安)の電力を賄うこともできる。
普通車・小型車で普及してきたシリーズハイブリッドを、軽自動車でスタンダードとすることができるのか、今後の展開が気になるコンセプトカーだ。
JMS2023に引き続いて、FR化のコペンコンセプト
もうひとつのK-OPENは、その発音どおり次世代コペンのコンセプトカーとなる。JMS2023で公開された「DAIHATSU VISION COPEN」では1.3LエンジンとFRというパワートレーンが話題となっていたが、今回のモデルはより量産モデルに近い軽自動車規格に収まるもので、FRというレイアウトは変わっていない。
スタイリングスタディだというコンセプトカーのシルエットは初代のように丸みを帯びているものの、FFの現行モデルと比らべても明らかにフロントノーズが長くスタイリッシュさを感じられるもの。丸いだけでなく、サイドのフェンダーやキャラクターラインが直線的に描かれていることもそう感じさせる要素のひとつかもしれない。そのほかにもH型のシフトパターンやセンター出しのテールパイプ、機械式サイドブレーキなど、スポーツ走行を考慮しているであろう装備が期待感を高めてくれる。

次世代コペンを占うコンセプトカー「K-OPEN」。従来モデルとは異なる、ロングノーズショートデッキスタイルが光る。
K-OPENと合わせて展示されるのが、「作ってみる、乗ってみる、試してみる」の精神で制作された「K-OPENランニングプロト」と呼ばれるもの。外観は現行型コペンに見えるものの、パワートレーンを含めた中身はダイハツ車の部品を流用してFR化した次世代の開発車両。エンジンシリンダー軸を斜めに傾けて搭載するスラントエンジンとすることで、低重心化も図られている。軽のサイズにこだわりつつ、軽量化や低重心化、最適な重量配分による走る楽しさを追求したという。

