使う人の日常に溶け込める優しいクルマを目指したというアクアが、フロントマスクをガラリと変え、大胆にイメージチェンジされました。数日間ともに過ごしてみて、現行型登場時に掲げた開発の軸でもある「乗る人への優しさ」はそのままに、上質なBセグメントコンパクトカーに成長していることを実感しました。
FFよりも落ち着いた走り。運転支援も抜かりない

4WD車はFF車よりも後輪への荷重が多く、リアサスペンションがダブルウイッシュボーンということもあり走りは落ち着いていた。
今回の試乗車は最上級グレード「Z」の、後輪をリアモーターで駆動する4WDです。走り出すと良い意味でハイブリッド感がなく走りは自然です。改良前は加速時などにややエンジン音が目立つ印象でしたが、今回は気になりません。開発者の話では、バッテリーの電力供給時間を延ばすことでモーターの使用領域も広がり、これが静かでスムーズな走りの実現にひと役買っているのだそうです。
もうひとつ、運転していて感じたのが、2021年のフルモデルチェンジ後に乗ったアクア(FF車)よりもリアのバタつきが少なく安定感があって、とても〝据わり〟がいいことです。首都高のきつめのコーナーで継ぎ目を通り過ぎる際にはいなしがうまく、後輪に起因する車体の動きの乱れが少なく感じます。

とくにコーナーリング時にはFF車以上の安定感をとくに実感できた。
車検証の数値では後軸重は510㎏と、FF車よりも100㎏ほど重くなります。また、4WDのリアサスペンション形式はダブルウイッシュボーンとなります(FF車はトーションビーム)。こういった違いが走りに表れているのだしょう。
3つのドライブモードも試しましたが、「ECO」モードは少し出足がゆったりしていますが、混雑した市街地などではこれでも不満はありません。「NORMAL」モードは加速感もほどよく、個人的にはこれが一番しっくりきました。キビキビ走りたい人やそういう気分の時のために「POWER+」モードも用意。こちらは加速感が明らかにダイレクトかつ鋭くなります。
