「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、日産 シルフィだ。

小排気量化されても動力性能に不満はなかった

画像: ストローク感たっぷりの足まわりのおかげで乗り心地は良く、上級モデルのティアナを凌ぐほどといっても言い過ぎではないだろう。

ストローク感たっぷりの足まわりのおかげで乗り心地は良く、上級モデルのティアナを凌ぐほどといっても言い過ぎではないだろう。

実際に運転してみると、出足が軽やかだ。排気量から想像する以上にトルク感がある。静粛性もかなり高く、もっと排気量の大きなクルマから乗り替えようというユーザーも大きな不満を感じることはないだろう。

ストローク感たっぷりの足まわりのおかげで乗り心地も良好で、上級のティアナをしのぐほど。操縦性は神経質なところがない安定志向。クルマの姿勢が不用意に乱れて同乗者に不快な思いをさせることもなく、いつでもリラックスして乗れそうだ。シルフィがターゲットとする層が好むであろう味つけだ。

インテリアも全体的に上質に仕立てられているし、広々としている。全幅がワイドになったおかげで肩まわりに余裕があり、スエードとファブリックを組み合わせた最上級グレード“G”のシートは見た目や触り心地も上質だ。パッケージングの見直しにより後席ニールームはLクラスセダン並みになり、センタートンネルの張り出しも小さくされた。

さらに、このクラスながら左右独立温度調整機能付きエアコンや後席吹き出し機能を設定している(“S”を除く)。トランクも驚くほど広く、ゴルフバッグは楽々収まるし、トランクスルーも可能だ。

このクラスのセダンは、市場規模は小さいが確実に需要があり、それでいて魅力ある商品が少ない。そんな中に現れた新型シルフィは、視覚的にも、さらには居住性や乗り味の面でも、高い満足感を提供してくれると思わせる仕上がりぶりだった。

画像: 視認性に優れたファインビジョンメーターを採用。インパネ下部とフロントドアのトリムには「マイクログレイン」を採用し表面の質感を高めた。

視認性に優れたファインビジョンメーターを採用。インパネ下部とフロントドアのトリムには「マイクログレイン」を採用し表面の質感を高めた。

日産 シルフィ“G” 主要諸元

●全長×全幅×全高:4613×1760×1495mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1240kg
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:1798cc
●最高出力:96kW(131ps)/6000rpm
●最大トルク:174Nm(17.7kgm)/3600rpm
●トランスミッション:エクストロニックCVT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・52L
●JC08モード燃費:15.6km/L
●タイヤサイズ:195/60R16
●当時の車両価格(税込):238万9800円

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