2025年11月20日、ボルボ・カー・ジャパンはボルボの安全研究のエキスパートであるトーマス・ブロバーグ氏を招いて、メディア向けに「高齢ドライバー」の安全運転に関するセミナーを開催した。

高齢ドライバーの特徴と事故になりやすい要因とは

画像: ボルボ セーフティセンターで約30年にわたりボルボの安全研究・開発を担っているトーマス・ブロバーグ氏。

ボルボ セーフティセンターで約30年にわたりボルボの安全研究・開発を担っているトーマス・ブロバーグ氏。

スウェーデンでも日本同様に高齢化が進んでいる。そこで今回、1995年にボルボ・カーズ入社以来「ボルボ・カー セーフティセンター」のマネジメントチームの一員として、衝突被害ブレーキや歩行者用エアバッグなど、世界初となる数々の安全技術の導入を推進してきたブロバーグ氏が、初来日してセミナーを開催した。

2024年、日本では3221人が交通事故で亡くなっているが、65歳以上の人の事故死者数割合は、30年前に比べて約3倍に増えている。人は歳をとることで、視覚/感覚/筋肉などの身体的要因、注意/認識/意思決定などの心理的・認知的要因、そして経験/運転時間/状況/方法などのミスを補う行動、といった運転するための重要な要素に影響が出てくる。

個人差もあるが、高齢者は事故に遭うと骨折などケガをしやすく、また治りにくい。シートベルトを正しく装着する重要性の認識が低く、正しい姿勢をとるまでに時間と労力を必要とすることも調査の結果から得られている。運転中も、交差点などで若いドライバーは対向車など動く物体を注視しているが、高齢ドライバーは信号や横断歩道など、動かないものに視線が集中しやすい。これには、視野が狭くなっていることと首の動きが劣ることも要因しているという。

その結果、自分の実際の能力よりも過小評価することで運転を控えてしまったり、逆に「そんなことはない」と過大評価して安全上の問題を生じたりする。なお、過大評価する人は運転アシスト技術を受け入れにくい傾向があるという。

画像: 年齢(加齢)によって運転に重要なさまざまな要素が影響を受ける。

年齢(加齢)によって運転に重要なさまざまな要素が影響を受ける。

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