伝説として始まり、革新へと至ったスーパーカーたち。1970年代の懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまで紹介していこう。今回は、メルセデス・ベンツ SLS AMGだ。

メルセデス・ベンツ SLS AMG(MERCEDES-BENZ SLS AMG:2009〜2014)

画像: 日本のモータリゼーションの黎明期に憧れだった300SL。それをオマージュしたのが、SLS AMGだ。

日本のモータリゼーションの黎明期に憧れだった300SL。それをオマージュしたのが、SLS AMGだ。

メルセデス・ベンツSLS AMGは、AMGがメルセデスAMGとなる以前に、すべてを独自に開発した初めてのスーパースポーツカーだ。その先代モデルともいうべきSLR マクラーレンでは、エンジンはAMGが開発したが、車両の開発はマクラーレンに委ねられていたのだった。

2009年のフランクフルト モーターショーで発表されたSLS AMGのスタイリングは、1950年代の名車「300SL」をオマージュしたもので、300SLの代名詞だったガルウイング式ドアを採用している。シャシにはオールアルミニウム製のスペースフレームが採用され、軽量化と前後重量配分の適正化、そしてボディ剛性のアップが図られている。

長いエンジンルームの後ろ半分にフロントミッドシップ搭載されたパワーユニットは、当時のAMG S63などにも搭載されていた6.2L(正確には6208cc)のV型8気筒 DOHCがベースだが、ドライサンプ化をはじめとした専用チューニングが施され(型式名もM156からM159に変更された)、最高出力は571ps、最大トルクは650Nmというパワースペックを発生している。

画像: フロンドミッドシップ搭載される6.2LのV8は571psと650Nmを発生。0→100km/h加速は3.8秒。

フロンドミッドシップ搭載される6.2LのV8は571psと650Nmを発生。0→100km/h加速は3.8秒。

組み合わされるトランスミッションは、「AMGスピードシフトDCT-7」と呼ばれる7速DCT。リアトランスアクスル方式を採用し、トランスミッションとデフはリアアクスル側に搭載された。

インテリアは航空機のコクピットを意識したデザインで、2眼メーターの中央にはインフォメーションディスプレイが表示され、センターコンソールにはカーナビゲーションやオーディオをはじめとしたさまざまな操作が可能なコマンドシステムのダイヤルが備わるなど、当時のメルセデス車と基本的な操作系は変わらない。スーパースポーツカーといえども扱いやすさを重視していたのは、メルセデスならではといえるだろう。

2011年にはフルオープンモデルのロードスターも追加された。さすがにドアは普通のスイング式となったが、その後もレーシング仕様のGT3や、電気自動車のプロトタイプ、限定生産車のブラックシリーズなどの派生モデルも生まれ、2013年の東京モーターショーで発表され注目を集めた、全世界350台限定のファイナルエディションをもって、その生産を終了した。

画像: 2011年に追加設定されたロードスターは普通のスイング式ドアを採用し、電動ソフトトップは約11秒で開閉可能。

2011年に追加設定されたロードスターは普通のスイング式ドアを採用し、電動ソフトトップは約11秒で開閉可能。

メルセデス・ベンツ SLS AMG 主要諸元

●全長×全幅×全高:4640×1940×1265mm
●ホイールベース:2680mm
●車両重量:1710kg
●エンジン種類:90度V8 DOHC
●総排気量:6208cc
●最高出力:571ps/6800rpm
●最大トルク:650Nm/4750rpm
●燃料・タンク容量:無鉛プレミアム・85L
●トランスミッション:7速DCT
●駆動方式:トランスアクスル式FR
●タイヤサイズ:前265/35ZR19、後295/30ZR19

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