2023年1月にBYDのBEV、ATTO 3が日本に導入されてから、まもなく3年を迎えようとしている。2024年の年間販売台数は2223台だったが、2025年6月の時点で累計5000台を突破した。その勢いをさらに加速させようとするのが、国内導入モデル第5弾となるプラグインハイブリッドSUV、そして398万2000円からという脅威の価格設定で登場したシーライオン6である。(撮影:平野 陽)

驚くほど静かな走り

画像: PHEVなので充電口も用意。位置は右リアフェンダーで、急速充電と普通充電に対応する。満充電時はEVのみで100kmの走行が可能(FFモデル)。

PHEVなので充電口も用意。位置は右リアフェンダーで、急速充電と普通充電に対応する。満充電時はEVのみで100kmの走行が可能(FFモデル)。

さて、走り出してまず驚かされたのは、その静けさである。BYDの事前の説明によると、遮音性の高いガラスや防音材の採用など、静粛性には相当力を入れているとのことだが、EV走行中のロードノイズや風切り音といったNVHは極めて低く抑えられているという印象だ。

加えて、路面のうねりや段差を越えた際に感じる足まわりはかなりソフトで上下動も穏やか。市街地中心の一般道で走った限りではコンフォート寄りのセッティングが快適に感じられる。

一方、ワインディングロードへと舞台を移すと、そのソフトな乗り味がそのまま顔を出し、やや頼りなく感じる場面もあった。また、段差や荒れた路面の通過時の微振動が気になることもある。

もっとも、近年は足まわりや電子制御の進化によってスポーツ性と快適性を高次元で両立するSUVが増えているがゆえに、そう感じただけかもしれない。むしろ、コンフォート志向の乗り味を好む人であれば、こちらのセッティングの方が合うのだろう。

今回は高速道路を試すことができなかったため、高速域での印象については改めて確認してみたい。

乗れば際立つコスパの高さ

画像: 1.5L直列4気筒の高効率エンジンに、専用設計のブレードバッテリーを組み合わせ、EHSと呼ばれるエレクトリック・ハイブリッド・システムで構成される。エンジン単体は98ps/122Nmと控えめのスペック。

1.5L直列4気筒の高効率エンジンに、専用設計のブレードバッテリーを組み合わせ、EHSと呼ばれるエレクトリック・ハイブリッド・システムで構成される。エンジン単体は98ps/122Nmと控えめのスペック。

シーライオン6の真価は、やはりEV走行にある。バッテリー残量があれば、基本的にモーター主体で走行するため、BEVのように出足からスッと立ち上がる。とくに低速域から急加速が求められる場面での瞬発力はガソリン車では味わえない。ワンモーター仕様ながらその力強さは想像以上である。

また、上り坂などで高負荷がかかるとエンジンが始動することもあるが、その切り替えは極めて自然で、エンジン音や振動を意識することはほとんどなかった。

最後に装備面の充実に注目したい。前席パワーシート、シートヒーターとベンチレーションはもちろん、大型電動サンルーフ、インフィニティ製オーディオまで標準装備となる。それでいてFFモデルの価格は398万2000円からと、やはりコストパフォーマンスは際立っている。

今回試乗したのはFFモデルのみだが、0→100km/h加速5.9秒の瞬発力を持つ4WDは2026年3月の登場予定。ボディカラーは全4色、内装色はブラウン&ブラックのみとなる。

ジャパンモビリティショー2025の会期中から先行予約を開始し、11月末時点で300台の受注を獲得しているというが、ガソリンでも走れるPHEV SUVとして、シーライオン6がBYDの国内戦力をさらに押し上げる存在となることは間違いない。

BYD シーライオン6 主要諸元

●全長×全幅×全高:4775×1890×1670mm
●ホイールベース:2765mm
●車両重量:1940kg
●パワートレーン:直4 DOHC+モーター
●総排気量:1498cc
●エンジン最高出力:72kW/6000rpm
●エンジン最大トルク:122Nm/4000-4500rpm
●モーター最高出力:145kW
●モーター最大トルク:300Nm
●バッテリー容量:18.3kWh
●駆動方式:FF
●最小回転半径:5.55m
●タイヤサイズ:235/50R19
●車両価格(税込):398万2000円

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