伝説になったクルマに、伝説になるクルマで逢いに行くことにした
さて、まずはお約束ということで・・・都内で90を引き取ってなにげなくウインカーを出そうとした瞬間、目の前をワイパーが遮った。右ハンドルだけど、ウインカーは左側。乗り込んだ瞬間から、いつもの日本車とは違うぞ~と、しっかり教えてくれたわけだ。直6ツインスクロールターボエンジンをはじめ、プラットフォームも含めて基本設計はBMWが担っているのだから、それも当然か。

さすが現代のスポーツカー。東京から名古屋の往復では、高速道路中心で13km/Lほどをコンスタントにマークしていた。

ドライバー側はスポーツモデルらしいタイト感を強調、ナビシート側はゆったり感をうまくアレンジしている。
もっともメインディスプレイはしっかり「GR」しているし、ナビゲーションまわりの設えも含め、インターフェイスはトヨタオリジナルのデザインを採用する。ベクトル的にはGT感が強い兄弟車「Z4」に比して、よりタイトかつスポーティな印象を受けた。
なかでもRZは、2025年3月に「最終型」として一部改良が施されたことで、いろんな意味で「スポーツ性を極めた」仕様に進化している。ボディ、シャシまわりの剛性アップやサスペンションのリセッティング、アクティブディファレンシャルやEPSの制御まで最適化が図られた。改良前の仕様と比べることはできなかったものの、まずはその乗りやすさに驚いた。

B58B30B型はツインスクロールターボチャージャー、高精度ダイレクトインジェクションシステム、旧排気系の無段階可変バルブタイミング機構を採用することで燃費も優れている。ストレートシックスらしくすっきりさわやかな脈動感が伝わる。
387ps/500Nmを発生するストレートシックスは、低回転からダイレクトなトルク感を感じさせる。クラッチコントロールはそれなりに剛性ありで踏みごたえをともなうが、神経質になる必要はなく、街乗りでずぼらにシフトアップしてもしっかり交通の流れに乗ることができる。シフトダウン時には最適なブリッピングを自動で入れてくれるので、こちらもけっこうクルマ任せ。AT並みとは言わずとも、ストレスフリーであることは間違いない。
だからと言ってこのエンジン、けっして「のっぺらぼう」ではない。細かい、けれど確かな粒子感をともないながら吹け上がる。実に表情が豊かだ。ストロークの短いシフトをコクコクと操りながら一般道で加減速を繰り返すのも、存外に楽しい。それはもちろんワインディングでの官能性能にも、ダイレクトにつながってくる。
高速クルージングでは、やや硬めの乗り味に「スポーツカー」であることの主義主張を感じさせることは確かにあった。それでもお付き合いNGな違和感ではなくほどよい刺激、と言っていいレベルにおさまっている。座り心地の良いスポーツシートと相まって、疲労も少なめ。MTなのでACC(アダプティブクルーズコントロール)こそついていなかったが、この「洗練ぶり」なら旅の相棒として選ぶのも、アリと見た。




