加速感だけじゃない。減速のフィーリングも良い
インテリアでは、ギアセレクターがボタンに置き換えられているのが大きな違いである。これにより足元が広くなり、左右席間の移動がしやすくなっている。
さらに、4人乗りに加えて、前後タンデム2人乗り、そして1人乗りまで設定されているのが見どころ。基本は商用ユースだろうが、自分好みの空間アレンジを考えてワクワクしている人もきっと少なからず居るに違いない。

助手席をダイブダウンした状態での奥行きは2645mmもあるので車中泊も難なく可能。運転席側にも小柄な人なら横になれるくらいのスペースがある。
では走りはと言えば、期待どおりスムーズで力強く、良い意味で軽自動車らしくない。BEVらしさの演出みたいなことをしていないのが好印象で、積載時の登坂も余裕でこなせるようギア比を低く設定し、発進時に荷物を揺らすことのないように加速も急にならないよう調整。Bレンジの減速感も控えめに設定するなど、商用車としての使い勝手をとことん煮詰めたことが、乗用車としても上質な乗り味に繋がっている。
おそらく、その快適性には車重増も貢献しているはずだが、それがネガに感じられることはない。タイヤサイズを13インチに拡大してブレーキも容量アップ。さらに電動サーボを採用し、加速だけでなく止まる方もフィーリングは上々である。

エアコンやギアセレクター、ECON、パワーウインドウスイッチなど左手で操作できるように中央に集中配置する。
率直に言って、走りはN-VANよりも質が高く、魅力的。しかもN-VAN e:には外部給電機能も備わる。充電した電気を外出先で家電や電子機器などに供給することができるから、使い勝手の幅も大いに広がっている。
電動化によって軽商用バンとしての実力、魅力を一気に引き上げたN-VAN e:。商用としての普及にも期待したいが、ホビーユースとしてもN-VAN以上の支持を集めそう。なるほど、ホンダのBEV展開の本格スタートに相応しい1台と言えそうだ。
ホンダ N-VAN e:L4 主要諸元
●全長×全幅×全高:3395×1475×1960mm
●ホイールベース:2520mm
●車両重量:1130kg
●モーター種類・型式:交流同期電動機・MCF7
●最高出力:47kW(64ps)
●最大トルク:162Nm(16.5kgm)
●バッテリー総電力量:29.6kWh
●WLTCモード航続距離:245km
●駆動方式:FWD
●タイヤサイズ:145/80R13
●車両価格(税込):269万9400円



