ベントレーの4ドアサルーンであるフライングスパーが第4世代へ進化を果たした。新型の大きな進化はパワートレーンで、トップモデル「スピード」がプラグインハイブリッド車(PHEV)となった。アメリカ・アリゾナ州でいち早くハンドルを握った印象をお届けする。(Motor Magazine 2025年1月号より/文:山崎元裕)

V8ツインターボ+PHEVはW12を凌駕する性能を誇る

まずはデフォルトともいえるドライブモードの「B」を選択する。バッテリー残量はほぼ100%なので、車速が140km/hを超えるか、あるいはアクセル開度が75%以上にならないかぎりは、エンジンは停止したままEV走行を続ける。当然のことではあるが、この時のキャビンは静かで、振動のレベルも小さい。

リアシートは外観から想像すると、ルーフラインの湾曲がやや大きく感じられるため、ヘッドスペースが制限されているようにも思えるが、実際はフットスペースやシートの座り心地ともに、さすがはベントレーの作。そこに迎え入れるパッセンジャーをより気づかうのならば、「コンフォート」モードを選んで、乗り心地をさらに優しくすればよい。

画像: インテリアはインフォテインメントが最新世代へ進化した一方で、物理スイッチも残されているのは嬉しい。

インテリアはインフォテインメントが最新世代へ進化した一方で、物理スイッチも残されているのは嬉しい。

ハイウエイに入り、速度が140km/hを超えると、V8エンジンが始動した。その回転は実にスムーズで、中速域から感じるトルク感もまさにスペックどおり。エネルギーモニターを見ていると、その制御は意外に頻繁に行われていることがわかる。運動エネルギーを電力に変換し、再びバッテリーに蓄える、回生システムの制御にも違和感はない。

782psのパワーをフルに引き出せるようなシーンにはなかなか出くわすことはなかったが、やはりそのような時にはサスペンションやハンドルに、よりリニアな印象が感じられるようになり、とくにステアフィールの正確さはコーナリングにおいては大きな魅力となる。そして常に安心してこのフライングスパー スピードのコーナリングを楽しめるのは、駆動方式がフルタイム4WDであることにも大きな理由がある。常に最適な駆動力が4輪から路面に伝達される効果、そしてアクティブトルクベクタリング付きのLSDや、ツインバルブを持つダイナミックライドコントロールによる制御も、また見事だった。

画像: リアスタイルは先代モデルによく似るが、左リアフェンダーに外部給電口が設置されているのが確認できる。

リアスタイルは先代モデルによく似るが、左リアフェンダーに外部給電口が設置されているのが確認できる。

このモデルのドライブをショーファーに譲るのはあまりにも惜しい。なぜならそれはベントレーの言葉どおり、4ドアのスーパーカーにほかならなかったからだ。フル加速を試みれば、0→100km/h加速を3.5秒で駆け抜け、最高速度は285km/hを達成するという、新型フライングスパー スピード。その一方、WLTPサイクルで829kmの航続距離と33g/kmのCO2エミッションを実現するというのだから、これは現代のスーパーカーに求められる性能であるともいえる。そう、彼らの主張は正しかったのだ。

ベントレー フライングスパー スピード 主要諸元

●全長×全幅×全高:5316×1988×1474mm
●ホイールベース:3194mm
●乾燥重量:2646kg
●エンジン:V8ツインターボ+モーター
●総排気量:3996cc
●最高出力:441kW(600ps)/6000rpm
●最大トルク:800Nm(81.6kgm)/2000-4500rpm
●モーター最高出力:140kW(190ps)
●モーター最大トルク:450Nm(46.2kgm)
●トランスミッション:8速DCT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・80L
●WLTPモード燃費:10.4km/L
●タイヤサイズ:前275/35R22、後315/30R22

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