気分良く走れるだけでなく好みに応じて仕立てられる
試乗したのは、主流グレードとなるS。アルミホイール(4万7250円)/LEDヘッドランプパッケージ(11万5500円)/運転席・助手席シートヒーター 排気熱回収器(2万1000円)/前席SRSサイドエアバッグ&前後席SRSカーテンシールドエアバッグ(4万2000円)などのメーカーオプションと、ディーラーオプションのナビゲーションシステムが装着されている。
ヘッドライトまわりを含めたフロントデザインは、間もなくデビューする新型モデルの「86」とどことなく似ている印象を受けるが、全体のスタイリングは小粋で好ましい。驚くほどフロントウインドウとAピラーはスラントしているが、室内は想像よりはるかにゆったりとしている。前席に大の男が2人で乗っても、隣が気にならない。
ダッシュボードのデザインもユニークだ。運転席側と助手席側のそれぞれを互いにオーバーラップさせることでワイド感を強調する効果を狙ったものだというが違和感は覚えなかった。質感は、コンパクトモデルらしいものだ。
運転席からの見晴らしも良く、着座感もいいことに気分を良くして走り出すと、ここでもちょっと驚かされた。走り味がハイブリッドカーっぽくないのだ。小さなプリウスみたいな走行感覚かと予想していたのだが、これがだいぶ異なる。もちろん、モーターの音もするし、EVモード走行もできる。

センターメーター採用で広い視界を実現。アクア Sのシート表皮はファブリック仕様。
それでも普通に走っていると、ガソリンエンジン車のような、ある意味では「自然な」感触を覚えるのだ。ブレーキの操作性も、違和感がほとんどない。これは、サスペンションやハンドル操作の味付けについても同様だった。ハイブリッドカーに乗ったことがなかったユーザーでも、さほど特別さを意識せずに馴染めるのではないだろうか。
アクアに乗ると、ハイブリッドカーという価値感を、普遍的な、そして身近なものとしても表現したいというトヨタの狙いがよくわかる。それは車両価格においても表現されているし、コンパクトカーらしい割り切り方も含めて、クルマの仕上がりぶりには納得させられるものがあった。
アクアの受注状況は非常に好調だという。やはりユーザーはわかるのだ。(文:Motor Magazine編集部 香高和仁)
トヨタ アクア S 主要諸元
●全長×全幅×全高:3995×1695×1445mm
●ホイールベース:2550mm
●車両重量:1080kg
●エンジン:直4DOHC+モーター
●排気量:1496cc
●最高出力:54kW(74ps)/4800rpm
●最大トルク:111Nm(11.3kgm)/3600-4400rpm
●モーター最高出力:45kW(61ps)
●モーター最大トルク:169Nm(17.2kgm)
●トランスミッション:電気式無段変速
●駆動方式:FF
●10・15モード燃費:37.0 km/L
●車両価格(税込):179万円(2012年当時)



