モーターマガジン社が2026年2月17日に発行したムック本「GTメモリーズ15 PF60/JT150・190 ジェミニZZ/ジェミニイルムシャー」が好評だ。ここでは、そのダイジェストをお届けしよう。今回紹介するPF60ジェミニZZは1979年6月に登場し、欧州社風の洗練されたボディの内部に直4DOHCエンジンを搭載。FRというスタンダードな駆動方式から生まれるスポーティな走りで人気を博したモデルだ。

ベレットGTの後継車の大役を担う、PF60ジェミニZZは硬派なスポーティカー

画像: 1974年に登場したPF50ジェミニ。GMのワールドカー構想のTカーと位置づけられて、オペル、ボグゾールなどとほぼ同じスタイルとなった。

1974年に登場したPF50ジェミニ。GMのワールドカー構想のTカーと位置づけられて、オペル、ボグゾールなどとほぼ同じスタイルとなった。

いすゞ自動車のスポーティFR車として一時代を築いたのがPF60ジェミニだ。まず、ジェミニZZに触れる前に、そこまでのジェミニの歴史をざっと振り返っておこう。またジェミニシリーズにはディーゼル、ディーゼルターボモデルもあるが、ここではガソリンエンジンのジェミニのみに触れていく。

1974年10月、いすゞ自動車は新開発の小型乗用車として「ベレットジェミニ」(PF50)を発表し、11月1日より発売した。4ドアセダンおよび2ドアクーペという設定だ。同車は、いすゞとGM(米・ゼネラルモータース)が「ベレット」の後継車として共同開発したものだった。GMのグローバルカー(世界戦略車)構想の一環としたという面もある。

車名のジェミニ(Gemini)は、2つのものが結びつくコミュニケーションの星座、双子座のことであり、いすゞとGMのパートナーシップを表すとともに、いすゞとユーザーとが信頼で結ばれることを願って命名したものだ。先述のグローバルカー構想から、兄弟車として「オペル・カデット(西独)」、「シボレー・シェベット(米)」、「ビュイック・オペル(米)」、「ボグゾール・シェベット(英)」「ホールデン・ジェミナイ(豪)」など世界展開したのも話題となった。

画像: PF60ジェミニZZ/Rセダン。スポーティなスタイルではクーペに劣るが実用性と前後重量配分のバランスで優れていた。

PF60ジェミニZZ/Rセダン。スポーティなスタイルではクーペに劣るが実用性と前後重量配分のバランスで優れていた。

同車のエクステリアを見ていくと、低いウエストライン、広いガラス面積、大曲率のカーブドガラスなどによりクリーンな外観はのちのPF60も引き継ぐ。さらにPF50では、フロントバンパーの下にスポイラー状のエロン曲線を設け、高速走行時の車体の浮きあがりを抑え、走行安定性の向上を図った。エンジンフードのフロントエンドをラジエーターグリル上端まで面としてつなげ、特に特徴的な逆スラントノーズは国産車離れしたスタイルで個性をアピールしていた。

エンジンは、新開発のG161型を搭載した。総排気量は1584ccで、最高出力100ps、最大トルク14.0kgmを発生。シングルキャブながら軽量のボディ、スポーティな4速MTフロアシフトと相まって余裕のある走行ができた。1977年には、1.8LのG180型直4SOHCエンジンを搭載したモデルを追加。動力性能も最高出力110psまで向上している。

画像: スタイルや軽量さを含めてもっともスポーティなモデルだったZZ/Rクーペ。当時のライバルはTE71レビン/トレノだが、1.8L直4DOHCで優位に立った。

スタイルや軽量さを含めてもっともスポーティなモデルだったZZ/Rクーペ。当時のライバルはTE71レビン/トレノだが、1.8L直4DOHCで優位に立った。

1979年6月、フェイスリフトでPF60となる。従来の走りの良さに加え、より広いユーザーに受け入れられるようにオーソドックスなスラントノーズとしたのがエクステリアの変更点だ。このスタイルは空力的にも従来車よりも優れるとアピールした。テールランプを大型化するとともにセダンのトランクリッドまわり形状を変更し、ボディ全体をより大きく余裕のあるスタイルとしている。カラーコーディネイトも、オーソドックスなカラーリングに加え、サンライズオレンジ、ババリアグリーン、レマンブルーの3色を加えるなど、他の国産車にはない洒落たイメージを強く打ち出している。パワーユニットは直4SOHCであることは従来と同じだった。

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