開催時期の変更、スプリントフォーマットでの開催がポイント
3連勝中のキミ・アントネッリ(メルセデス)に注目が集まるカナダGP。モントリオールは2025年にアントネッリが初表彰台を獲得したコースでもある。
カナダGPの舞台となるジル・ヴィルヌーヴ・サーキットは、1967年のモントリオール万博の会場跡地を利用して作られたコースで、ふだんは公園およびローラースケートやウォーキングなどのコースとして使われているため、金曜日は路面が滑りやすくグレイニングが見られる。走行を重ねると徐々にラバーが乗ってくるため、ラップタイムは急速に縮まってくるのも大きな特長だ。
コースは長いストレートと深く切れ込んだコーナーを組み合わせた「ストップ&ゴー」型レイアウトで、強力なブレーキング時の安定性と優れたトラクション性能が重要となる。市街地コースに近い性格ながらオーバーテイクは可能で、とくに最終シケインへ向かうストレートエンドにチャンスが訪れる。ただし、その直前には「ウォール・オブ・チャンピオンズ」と呼ばれるコーナーがあり、1999年にはデイモン・ヒル、ミハエル・シューマッハ、ジャック・ヴィルヌーヴの3人がここでクラッシュを喫した。

モントリオール セント・ローレンス川にある人工島に作られた美しいコース。かつてはイル・ノートルダム・サーキットと呼ばれていたが、このサーキットでF1初優勝を飾った地元の英雄にちなんでジル・ヴィルヌーヴ・サーキットと呼ばれるようになった。スタートライン上にはいまも”Salut Gilles”(やあ、ジル)とペイントされている。
問題はこの時期の変わりやすい天候。雨の心配だけでなく、開催時期が数週間早まったことで例年より気温が低くなることも考えられる。タイヤへの負荷は大きくないので1ストップタイヤ戦略もあると思われるが、このコースはピットストップロスが小さくオーバーテイクもしやすいこともあり、昨年と同様に2ストップが主流となるかもしれない。
もうひとつ、カナダGPがスプリントフォーマットで行われるのは初めてで、チームは早くタイヤ適正を見抜き、スプリント予選、スプリント、予選、決勝を戦い抜かなくてはならない。スプリントを勝ちに行くのか、決勝への準備と考えるのか、チームは状況を見て判断することになる。

ジル・ヴィルヌーブサーキットのコース図。全長 4.361 km 。連続するストレートとタイトなシケイン、そして14のコーナー(左コーナー6つ、右コーナー8つ)を特長とする。ブレーキング時の安定性と効率的なトラクションが不可欠なストップ&ゴーサーキット。
昨年2025年のカナダGPではメルセデスが1-2フィニッシュ
2025年のカナダGPでは、ポールシッターのラッセルが冷静なタイヤマネージメントでライバルを寄せ付けず、メルセデスにシーズン初勝利をもたらした。ミディアムタイヤでのレース序盤こそ後続のフェルスタッペンに迫られる局面はあったものの、完璧にペースをコントロール。結局最後までフェルスタッペンをDRS圏内に入れることなく逃げ切った。またチームメイトのアントネッリも、終盤のマクラーレン2台との接戦を抑え切って初表彰台を獲得している。
決勝スタート時のタイヤ選択はミディアムとハードでほぼ半々に分かれたが、結果的にはハードタイヤの競争力が高く、1ストップよりも2ストップ戦略の方が速かった。今年のカナダGPでも、スプリントと予選では一発のグリップ力のあるソフトタイヤが好まれるだろうが、決勝では2種類の硬めコンパウンドを使う戦略が選ばれる可能性が高い。

昨年2025年のカナダGPでは、優勝したジョージ・ラッセルとともに、キミ・アントネリが初めて表彰台にあがった。メルセデスが圧倒的な強さを見せつけた週末だった。

昨年2025年のカナダGPのタイヤ戦略。戦略面では2ストップが最速で、最も効果的なタイヤはハードタイヤだった。
【参考】2025年F1第10戦カナダGP決勝 結果
1位 63 G.ラッセル(メルセデス)70周
2位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)+0.228s
3位 12 K.アントネリ(メルセデス)+1.014s
4位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+2.109s
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+3.442s
6位 44 L.ハミルトン(フェラーリ)+10.713s
7位 14 F.アロンソ (アストンマーティン・メルセデス)+10.972s
8位 27 N.ヒュルケンベルグ(キックザウバー・フェラーリ)+15.364s
9位 31 E.オコン(ハース・フェラーリ)+1L
10位 55 C.サインツ(ウイリアムズ・メルセデス)+1L
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12位 22 角田裕毅(レッドブル・ホンダRBPT)+1L
ファステストラップ 63 G.ラッセル(メルセデス)

今年のカナダGPを前にピレリが公表した分析データ。レリは、カナダGPでラインナップ中で最も柔らかい3種類(ハード=C3、ミディアム=C4、ソフト=C5)を供給する。
さて2025年のカナダGPはどんなレースとなるのか。第5戦カナダGPは5月22日12時30分(日本時間23日1時30分)から始まるフリー走行で開幕、スプリントレースは5月23日12時(日本時間5月24日1時)、決勝は5月24日16時(日本時間25日5時)にスタートする。
2026年F1第5戦カナダGP タイムスケジュール
フリー走行:5月22日12時30分〜13時30分(日本時間5月23日1時30分〜2時30分)
スプリント予選:5月22日16時30分〜17時14分(日本時間5月23日5時30分〜6時14分)
スプリント(28周):5月23日12時〜13時(日本時間5月24日1時〜2時)
予選:5月23日16時〜17時(日本時間5月24日5時〜6時)
決勝(70周):5月24日16時〜(日本時間5月25日5時〜)




