2012年2月21日、初代ボルボ S60のスポーティな特別仕様車「S60 T4 R-DESIGN」が100台限定で発売され、瞬く間に完売した。かつての「ボルボ=地味」というイメージは当時すでに過去のものになっており、専用のサスペンションで足まわりを強化し内外装にドレスアップが施された「R-DESIGN」が2008年からさまざまな車種に設定され人気となっており、中でもこの特別仕様車「S60 T4 R-DESIGN」はボルボのスポーティな一面が完全に定着する契機となったモデルと記憶される。ここでは登場間もなく行われた「S60 T4 R-DESIGN」国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2012年5月号より)

走りのパフォーマンスは「S60 DRIVe」とはまるで別次元

着飾っただけで走りが伴わなければボルボのRを名乗ることはできない。S60 T4 R-DESIGNに搭載されるのは、最高出力180ps/最大トルク240Nmを発揮する1.6L直噴直4ターボのB4164T型。このエンジンはS60 DRIVeにも搭載されるものだが、スポーツサスペンションを装着し、細部にまでわたってセッティングし直された足まわりのチューニングは、徹底的に鍛え抜かれているという印象。走りのパフォーマンスは、S60 DRIVeとはまるで別次元のものであった。

低速時の荒れた路面でこそゴツゴツとした乗り心地になる場面もあったが、それでも微妙なハンドルの入力に対して即座にボディが反応する感覚は、速度を上げなくても完成度の高さを感じさせるものだ。そして速度が乗ってくると走りはもう一段階アップし、気持ちいいものに変わる。

ストレスなく変速をこなすパワーシフトとトップエンドまでスムーズに回るエンジンのバランスが、軽快さだけではなく気持ち良さをもたらすのだろう。ボディが沈み込むことなくそのままの姿勢で駆け抜けていくコーナーの安定感も抜群である。S60 T4 R-DESIGNは外観だけではなく、すべてにわたり洗練されていると感じさせる。そう、ボルボのRはリファインメント(=洗練)を意味するのである。

走りの好印象は、18インチタイヤ(試乗車装着タイヤはContinnental ContiSportContact3、235/40R18サイズ)との相性も貢献しているのだろう。特筆すべきは、ダイヤモッドカットされたR-DESIGN専用「Ixionアルミホイール」で、デザインの美しさがこのクルマの持つ雰囲気を際立たせることにひと役買っていると言える。

さて、最後になったが報告しなければならないことがある。このS60 T4 R-DESIGNは100台限定モデルなのである。実に残念である。(文:千葉知充/Motor Magazine編集部)

画像: 本革/シルクメタルステアリングホイールもR-DESIGN専用アイテム。

本革/シルクメタルステアリングホイールもR-DESIGN専用アイテム。

ボルボ S60 T4 R-DESIGN 主要諸元

●全長×全幅×全高:4630×1845×1480mm
●ホイールベース:2775mm 
●車両重量:1540kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●排気量:1595cc
●最高出力:132kW(180ps)/5700rpm
●最大トルク:240Nm(24.5kgm)/1600-5000rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:FF
●車両価格:435万円(2012年当時)

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