2012年1月、デトロイトショー2012でワールドデビューを飾ったR231型メルセデス・ベンツSL。1952年に登場した名車「300SL」から数えて6代目にあたるこのモデルは、11年ぶりのフルモデルチェンジと、オールアルミボディの採用で大きな注目を集めた。今回は日本デビュー直前の2012年3月、スペイン・マラガで開催された国際試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2012年5月号より)

「SLS AMGとの差別化はどうなるのだろう」

新型SLクラスがアルミニウムボディを採用する。昨年2011年11月にカリフォルニアのデザインセンターで開催されたテックデイに参加して、その全容を初めて知ったとき、技術的な内容に驚くよりも先に「SLS AMGとの差別化はどうなるのだろう。ましてや新型にもきっとAMGが加わるだろうし・・・」と、勝手に心配してしまったものだった。

もちろん、同じアルミニウムボディとはいえ、スペースフレームとモノコックスタイルとでは、仕上がりのキャラクターがまるで異なることくらい理解しているつもりだ。けれども、軽量ボディのおかげで車両重量が成人男性ふたり分は軽くなって、そのスポーツ性能もまた大いに向上するのだとしたら、「SLSの立場がないんじゃないか」と思ってしまった。サイドシルのアルミニウムによる分室構造など見せつけられた日には、SLSロードスターが単なる「お試し」にも見えてきて・・・。

画像: フルアルミボディのねじれ剛性はスチールボディの従来型より20%以上アップしている。軽量化を徹底する中で、SLらしい革新的な新装備も数々採用している。

フルアルミボディのねじれ剛性はスチールボディの従来型より20%以上アップしている。軽量化を徹底する中で、SLらしい革新的な新装備も数々採用している。

あれから4カ月。スペインはマラガで新型SL500(日本名SL550)に試乗した今、テックデイでの心配は、本当にお節介だったと知った。

もちろん、スポーツ性能は格段に進化していた。と同時に、ハードコアなSLSと見事な対立軸を描く、極上のロードコンタクトとライドコンフォートをR231新型SLクラスは実現していたのだ。

まさにそれは、スポーツとコンフォート、スポーツとユーティリティの両立。高性能と高効率のように、それらは昨今はやりの「二律背反並び立ち」だが、現時点でその達成レベルは最上の部類と断言できる。

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