際立つ、ステーションワゴンらしい走り
試乗コースはスキー場へと向かう取り付け道路で、道幅は狭く、路面もところどころ荒れているという条件。しかも試乗は、いきなり坂道を下るところから始まるという少し珍しいシチュエーションだった。だがその分、モーター駆動が加わるS:HEVの出足のよさが際立ち、電動化のメリットをはっきり感じることができた。
最初のコーナーへ向かって減速し、ステアリングホイールを切り始めた瞬間、これまでのレイバックとは別物だと感じた。車高20mmダウンの効果は明らかで、EPSのチューニングも効いているのだろう。従来のグランドワゴン的なゆったりした動きは影を潜め、急なコーナーでも自然にスーッと向きを変えていく。重心の高いSUVでは味わいにくい、気持ちのいい曲がり方だ。
もともとステーションワゴンボディで全高が低いため、上屋が大きく揺すられる感覚は少なかったが、さらに重心が下がったことで、左右に振ったときの動きもより自然になった。頭が上下左右に揺すられる感覚が少ないため、これは同乗者の快適性にも効いてくるはずだ。

クローズドコースでの限られた試乗だったが、それでも車高を20mm下げた効果は明確。レヴォーグ レイバックの走りは、想像以上に大きく進化していた。
一方で、車高を下げたことでサスペンションストロークや乗り心地が犠牲になっているのではないか、と気になる人もいるだろう。しかし、その心配は無用。段差や荒れた路面でも突き上げ感や不快な硬さはなく、GT的な性格を持つレヴォーグ レイバックらしい快適性はしっかり保たれている。
同乗した開発者によれば、車高は下げているものの、スプリングレートそのものは変更していないという。その代わり、バンプストッパーでチューニングを施しており、ショックアブソーバーが縮んだ際の衝撃や振動をそこでうまく吸収しているようだ。
今回は比較用として現行型の1.8Lターボモデルにも試乗したが、あらためて乗るとこちらはよりゆったりとした印象で、SUV的な味わいが強い。このあたりは好みが分かれる部分だが、S:HEVはレヴォーグ本来の走りのよさをより際立たせ、GT的な乗り味を強めたモデルといえる。
