ポールポジションのアントネッリがスタートで3番手に後退
F1グランプリ史上最多となる56万4000人の大観衆が集まった伝統のシルバーストンでの決勝は、1951年にここで初勝利を記録したフェラーリが記念すべき通算250勝目を挙げるというドラマチックな結果となった。
最初の鍵となったのはスタート。ここ数戦、開幕直後の切れ味が薄れていたルクレールが2番グリッドから好ダッシュを決め、3番グリッドのハミルトンともに、フェラーリがポールポジションのキミ・アントネッリをかわして1-2体制を築く。
首位に立ったルクレールは、アントネッリがハミルトンを抜きあぐねている間にリードを広げ、11周目に2番手が入れ替わった時点で4.2秒のリードを築いていた。前日のスプリントでのフェラーリとメルセデスのレースペースを考えれば(スプリントではアントネッリが快走)その差は一気に縮まるかと思われたが、ルクレールはここから粘ってなんとか差をキープ。26周目にタイヤ交換に飛び込んだ時点で、両者の間にはまだ2.4秒ほどの差があった。
一方のメルセデスとアントネッリは第1スティントを引き伸ばして、ハードタイヤでの第2スティントでのタイヤ履歴を有利にする戦略を選択。ようやくタイヤ交換を終えた36周目の時点で、ルクレールとの差は7秒ほどに広がっていたが、ここからアントネッリはルクレールに比べて10周ぶんフレッシュなハードタイヤでハイペースで追い上げ、1周につき0.8秒から1秒ずつ差を削り取ってく。

56万4000人の大観衆が集まったシルバーストン。決勝スタートではポールポジションのキミ・アントネッリが3番手に後退する波乱の展開に。

スタートでトップに立ったルクレールは、レースの主導権を握ることに成功。
猛追アントネッリにまさかのトラブル、ルクレールが今季初勝利
だが、逆転も時間の問題かと思われた41周目、メルセデスに左フロントタイヤ内側のホイールシールドが脱落するというまさかのトラブルが起きてしまう。スローダウンしたアントネッリはピットインを繰り返して走行を続けるが、空力バランスを失ったことでコースアウトを連発し、これがトラックリミット違反と判定され5秒ペナルティ。最終的に無得点に終わってしまった。
アントネッリの脱落でルクレールは楽になった。レース終盤の48周目にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)のクラッシュによってセーフティカーが発動。後続との差がなくなるという緊迫の状況となったが、結局レースは再開されることなくセーフティカー先導のままフィニッシュ。ルクレールが2024年のアメリカGP以来となる久々の勝利を挙げた。
2位争いは、このセーフィティカー時にステアウトを選択していたラッセルが、ソフトタイヤに交換してレース再開を期していたハミルトンを出し抜きフィニッシュ。スローパンクチャーで緊急ピットインを強いられた苦しい戦いで、最大限の成果を得ることに成功した。
この結果、ドライバーズランキングは無得点のアントネッリ(179点)にラッセルが25点差(154点)に迫る状況に。ハミルトンが147点でこれに続いている。

今季初優勝を飾ったフェラーリのシャルル・ルクレール。フェラーリにとってF1グランプリ通算250勝目という歴史的勝利となった。

イギリスGPのタイヤ戦略。レース前、多くのチームは1ストップ戦略を想定していたが、終盤にセーフティカー、バーチャルセーフティカーが入ったことで、全ドライバーが少なくとも2回のピットストップを行う展開となった。ただ、レースはセーフティカー先導のまま終了したため、ソフトタイヤを装着したドライバーにその性能を十分に引き出す機会は与えられなかった。
次戦第10戦ベルギーGPは、7月17日、スパ・フランコルシャン・サーキットでで開幕、決勝は7月19日に開催される。(文:新村いつき)
2026年F1第9戦イギリスGP リザルト
2026年F1第9戦イギリスGP決勝 結果
1位 16 C.ルクレール(フェラーリ)52周[25]
2位 63 G.ラッセル(メルセデス)+0.427s[18]
3位 44 L.ハミルトン(フェラーリ) +0.772s[15]
4位 1 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+1.149s[12]
5位 6 I.ハジャー(レッドブル・RBPTフォード)+1.598s[10]
6位 30 L.ローソン(レーシングブルズ・RBPTフォード)+2.023s[8]
7位 41 A.リンドブラッド(レーシングブルズ・RBPTフォード)+2.214s[6]
8位 5 G.ボルトレート(アウディ)+2.413s[4]
9位 43 F.コラピント(アルピーヌ・メルセデス)+3.229s[2]
10位 10 P.ガスリー(アルピーヌ・メルセデス)+3.445s[1]
────────────
18位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)+1周
19位 18 L.ストロール(アストンマーティン・ホンダ)+1周
※[ ]内は獲得ポイント
2026年F1第9戦イギリスGPスプリント 結果
1位 12 K.アントネッリ(メルセデス)17周[8]
2位 44 L.ハミルトン(フェラーリ) +2.745s[7]
3位 1 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+9.783s[6]
4位 63 G.ラッセル(メルセデス)+10.639s[5]
5位 16 C.ルクレール(フェラーリ) +12.620s[4]
6位 3 M.フェルスタッペン(レッドブル・RBPTフォード)+16.550s[3]
7位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+17.551s[2]
8位 30 L.ローソン(レーシングブルズ・RBPTフォード)+30.233s[1]
────────────
20位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)+91.872s
21位 18 L.ストロール(アストンマーティン・ホンダ)+1L
※[ ]=獲得ポイント
2026年F1ドライバーズランキング(第9戦終了時)
1位 12 K.アントネッリ(メルセデス)179
2位 63 G.ラッセル(メルセデス)154
3位 44 L.ハミルトン(フェラーリ)147
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)108
5位 1 L.ノリス(マクラーレン)97
6位 81 O.ピアストリ(マクラーレン)82
7位 3 M.フェルスタッペン(レッドブル)76
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18位 14 F.アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)1
−位 18 L.ストロール(アストンマーティン・ホンダ)0
2026年F1コンストラクターズランキング(第9戦終了時)
1位 メルセデス 333
2位 フェラーリ 255
3位 マクラーレン 179
4位 レッドブル 128
5位 アルピーヌ 60
6位 レーシングブルズ 59




