予選で圧倒的な速さを見せたキャデラック
土曜日のハイパーポールで3番グリッドを獲得した15号車BMWが、フロントロウを独占したキャデラックを見事に攻略した。
15号車BMWは決勝スタートで鋭い走りを披露してフロントロウの2台のキャデラックの間に割って入ると、トップを走る12号車キャデラックが最初のピットストップでホイールナットのトラブルに見舞われる間に首位を奪取。その後、15号車BMWは終始ハイペースで主導権を握り、実質的なトップを守り抜いた。
しかし、レースは15号車BMWの独走というわけにはいかず、レース終盤、51号車フェラーリと12号車キャデラックの激しいプレッシャーを受けながら、最後まで集中力を切らさずトップチェッカーを受けた。
2位に51号車フェラーリ、3位には12号車キャデラックが入ったが、トップ3の差はわずか7秒。レースは2時間目に短いフルコースイエローが導入されたのみで、終盤には小雨も降ったものの35台全車が完走。見応えのある激戦となった。なお、サンパウロでフロントロウ以外から優勝したのはWECハイパーカー史上初めてだった。
フロントロウを独占し1年ぶりの優勝を狙ったキャデラックだったが、12号車キャデラックはピット作業の遅れに加え、他車との接触もあって一時後退。38号車キャデラックも最初のピットストップでタイムロスを喫し、2台とも一時はトップ10圏外まで後退したが、それでも粘り強く追い上げ、最終的に3位と4位でフィニッシュした。

フロントロウを独占したキャデラックを先頭にレースはスタート。BMWはセカンドロウにつけている。
ル・マンを制したトヨタも今回は苦戦
トヨタは予選で上位に食い込めず、後方からの追い上げを狙ったが、17番手からスタートした7号車トヨタは、スタート手順違反やフルコースイエロー中の違反によるペナルティが重なり、1周遅れの12位でフィニッシュ。
14番手からレースを開始した8号車トヨタは、一時トップ10圏内まで順位を上げたものの、レース開始から2時間が経過した頃、17号車ジェネシスと接触。この影響で右フロントのサスペンションにダメージを負い、17位でレースを終えた。
トヨタがノーポイントに終わり、BMWが15号車の優勝に続いて20号車が8位に入賞したことで、マニュファクチャラーズランキングにおけるトヨタとBMWの差は5ポイントに縮まった。一方、ドライバーズランキングでは、7号車トヨタのコンウェイ/小林可夢偉/デフリースと、20号車BMWのラスト/フラインスが首位に並んでいる。

予選で上位に食い込めず、決勝ではトラブルやアクシデントに見舞われ、トヨタにとっては厳しい週末となった。
次戦WECは、9月4日、第5戦「ローンスター・ル・マン」がアメリカ・テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開幕。決勝は9月6日に行われる。8週間の夏休みはWECにどんな変化をもたらすか。タイトル争いは、いよいよ佳境を迎える。(文:新村いつき)
2026年WEC世界耐久選手権第4戦「サンパウロ6時間」 決勝
1位 15 BMW MハイブリッドV8(マグヌッセン/ファントール/マルチェッロ)242周
2位 51 フェラーリ 499P・フェラーリAFコルセ(グイディ/カラド/ジョビナッツィ) +2.254s
3位 12 キャデラック VシリーズR・ハーツイオタ(ナト/スティーブンス) +6.687s
4位 38 キャデラック VシリーズR・ハーツイオタ(バンパー/ブルデー/エイトケン) +12.666s
5位 83 フェラーリ 499P・AFコルセ(クビサ/イェ/ハンソン)+32.351s
6位 007 アストンマーティン ヴァルキリー(ティンクネル/ギャンブル)+35.566s
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12位 7 トヨタ TR010ハイブリッド(コンウェイ/小林可夢偉/デフリース)+1L
17位 8 トヨタ TR010ハイブリッド(ブエミ/ハートレー/平川亮)+12L
2026年WEC世界耐久選手権マニュファクチャラーズランキング(第4戦終了時)
1位 トヨタ 132
2位 BMW 127
3位 フェラーリ 88
4位 キャデラック 60
5位 アルピーヌ 41
6位 アストンマーティン 40
2026年WEC世界耐久選手権ドライバーズランキング(第4戦終了時)
1位 コンウェイ/小林可夢偉/デフリース(#7 トヨタ)75
1位 ラスト/フラインス(#20 BMW)75
3位 リンデ(#20 BMW)65
4位 グイディ/カラド/ジョビナッツィ(#51 フェラーリ)57
5位 ブエミ/ハートレー/平川亮(#8 トヨタ)56
6位 マグヌッセン/マルチェッロ(#15 BMW)50
7位 ファントール(#15 BMW)44




