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滑りやすい路面でソルベルグがエバンスをリード
前夜の降雨によって滑りやすいマディ(泥濘)路面が残る中で始まった競技初日の金曜日は、SS1で勝田がいきなりアクシデントに見舞われるという波乱で幕を開けた。
まずラリーをリードしたのは、滑りやすい路面が好きだというソルベルグ。2番手にはスタート順のハンデがなくなったエバンスがつけ、SS2ではそのエバンスがベストタイムを出して首位に立つが、続くSS3ではソルベルグがポジションを奪い返した。
やや路面が乾いた午後はスタート順の遅いソルベルグに有利となり、エバンスとの差は10.1秒に広がって初日は終了。3連勝中のランキング2位、サミ・パヤリ(トヨタ)は特に濡れた午前中にペースがあがらず5番手と出遅れた。
翌土曜日にまずペースを掴んだのは初日4番手だったオジェ。SS7、SS8の連続ベストで3番手に浮上し、2番手のエバンスに迫る。だが、SS9でタイムを落とし再び4番手に後退と、出入りが激しい午前となった。
一方、首位ソルベルグはSS9でベストタイムを奪いエバンスとの差をキープする。午後のリピートステージのベストタイムは午前中とまったく同じ、SS10オジェ、SS11オジェ、SS12ソルベルグという結果に。
これで首位ソルベルグは2番手エバンスとの差を19.1秒に広げ、再び3番手浮上のオジェがエバンスに1.3秒差に詰め寄る形となった。

オリバー・ソルベルグに先行を許したものの、デイ2を終えた時点で総合2位をキープしていたドライバーズランキング首位のエルフィン・エバンス(トヨタ)。

デイ2を終えて首位に立ったオリバー・ソルベルグ。今シーズンは浮き沈みがあったが、全てがうまく噛み合ってきた。
ソルベルグが2勝目、トヨタは10度目のタイトルを確定
ラリー最終日、追い込まれたエバンスはSS13でベストタイムをマーク。SS14でもソルベルグに次ぐ2番手タイムを刻み、オジェとの差を6.3秒に広げて2位は安泰かと思われた。
ところが、最終ステージを前にしたSS15で、まさかの出来事が起きる。エバンスが痛恨のパンクを喫してステージ中のタイヤ交換を余儀なくされ、5番手まで順位を下げてしまったのだ。
首位ソルベルグは最終日も安定した走りで無事にフィニッシュ。開幕戦以来の勝利を遂げ「信じられない気分だ。チームは(苦しい時も)すごくサポートしてくれて、ついに運も味方してくれた」と喜びを爆発させた。
エバンスの後退で2位に入ったオジェは、通算120回目のポディウムフィニッシュを飾り、スーパーサンデー1位、パワーステージ5番手タイムによりボーナスポイントも獲得。3連勝中だったパヤリは、ドライバー選手権で首位を争うエバンスを抑えて4位でフィニッシュ。エバンスは2位の座を失い5位でラリーを終えたものの、パワーステージを2番手タイムで走り切り、ボーナスの4ポイントを追加獲得した。
これによりドライバーズ選手権は、5位に終わったランキング首位のエバンスと2番手パヤリとの差が17点に縮まり、ソルベルグがパヤリから4点差の3番手に浮上して残り2戦を迎えることになった。勝田はオジェとフルモーにもかわされてランキング6番手に陥落した。
一方、マニュファクチャラーズ選手権では、1-2フィニッシュとなったトヨタが、ランチアと並ぶ最多10回目の戴冠を決めている。

開幕戦ラリー・モンテカルロ以来となる、シーズン2勝目をあげたトヨタのオリバー・ソルベルグ(右)。左はエリオット・エドモンドソン。ドライバーズランキング首位のエバンスとの差は21ポイントに縮まった。

今季12戦目で11回目の優勝を達成したトヨタがマニュファクチャラーズタイトルを獲得。トヨタは6年連続通算10回目のWRCマニュファクチャラーズタイトル獲得となり、最多連覇記録、最多タイトル獲得記録に並んだ。
WRCの次戦第13戦ラリー・イタリア・サルディニアは、10月1日〜4日、サルディニア島北部のアルゲーロを起点としたグラベル路面で開催される。2026年のシーズンも残り2戦、ドライバーズタイトル争いにとって非常に重要な一戦となる。ステージは比較的ハイスピードだが、道幅は全体的に狭く、道のすぐ近くまで木々や大きな岩が迫るため、ミスのない精度の高いドライビングが求められる。(文:新村いつき)
2026年 WRC第12戦ラリー・チリ・ビオビオ リザルト
2026年 WRC第12戦ラリー・チリ・ビオビオ 結果
1位:O.ソルベルグ(トヨタ GRヤリス ラリー1)2h57m08.2s
2位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+16.6s
3位:A.フルモー(ヒョンデ i20N ラリー1)+33.3s
4位:S.パヤリ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+1m33.9s
5位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー)+2m22.3s
6位:E.ラッピ(ヒョンデ i20N ラリー1)+5m07.0s
7位:J.マカリアン(フォード・プーマ ラリー1)+7m31.5s
8位:Y.ロッセル(ランチア・イプシロン・ラリー2 HFインテグラーレ)+9m31.0s
9位:R.ヴェルベス(シュコダ・ファビアRSラリー2)+10m24.0s
10位:G.グリーンスミス(トヨタ GRヤリス ラリー2)+10m58.2s
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リタイア:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)
2026年 WRC第12戦ラリー・チリ・ビオビオ スーパーサンデー 結果
1位:S.オジェ(トヨタ GRヤリス ラリー1)39m54.9s
2位:O.ソルベルグ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+3.8s
3位:A.フルモー(ヒョンデ i20N ラリー1)+6.0s
4位:S.パヤリ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+22.2s
5位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1)+41.2s
2026年 WRCドライバーズランキング(第12戦終了時)
1位:E.エバンス(トヨタ)230
2位:S.パヤリ(トヨタ)213
3位:O.ソルベルグ(トヨタ)209
4位:S.オジェ(トヨタ)171
5位:A.フルモー(ヒョンデ)167
6位:勝田貴元(トヨタ)163
7位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ)129
2026年 WRCマニュファクチャラーズランキング(第12戦終了時)
1位:トヨタ 614
2位:ヒョンデ 410
3位:Mスポーツ・フォード 152




