今回登場したカタログモデル、トゥインゴ「ゼンMT」の前に発売された限定車、トゥインゴ「サンクS」(50台限定)も、トランスミッションが5速MTだった。じつはこのモデルも、トゥインゴの他グレードが採用する0.9Lターボエンジンではなく、1L自然吸気エンジン+5速MTというパワートレーンだった。しかし、フランス本国には「0.9Lターボエンジン+5速MT」の組み合わせも存在している。それなのになぜ、日本でのトゥインゴMTモデルはターボエンジンではなく、パワーやトルクの低い1L自然吸気エンジンなのだろうか?
画像: ▲トゥインゴ ゼン MTに搭載されるH4D型1L自然吸気エンジン。リアエンジン・リア駆動なので、エンジンは荷室スペースの下に搭載されている。

▲トゥインゴ ゼン MTに搭載されるH4D型1L自然吸気エンジン。リアエンジン・リア駆動なので、エンジンは荷室スペースの下に搭載されている。

ルノー・ジャポンの商品戦略のため

これはルノージャポンとしての将来的な商品展開と大きく関わってくる。

じつは、まだフランスでも発表されていないが、トゥインゴに「GT」グレード登場のウワサがあるのだ。
これは現在の0.9Lターボエンジンをパワーアップし、5速MTと組み合わせ、さらにルノースポール(R.S.)が足回りをチューンするというもの。いわゆるトゥインゴのスポーツバージョンだ。これを、日本でも導入しようとしている。本国での発表タイミング次第だが、日本では早くて今年2017年の年末、おそらく2018年中に上陸する見込みだ。

伸びているとはいえ、ルノージャポンの日本での販売台数は、2016年で5304台。輸入車ブランドでは14位だ。メルセデス・ベンツの6万7386台と比べると、そこまで多いわけではない。

小回りが利くブランド、とも言い換えることもできるが、むやみに車種を増やすことはできないし、本国で存在する「0.9Lターボ+5速MT」を導入してしまうと、今後登場するトゥインゴ「GT」グレードとカニバることも考えられる。そこで、まずはスポーツモデルではなく、「素」の良さを味わうための1L 自然吸気エンジン+5速MTモデルの導入・・・ということなのだろう。

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