トヨタは、排出ガス浄化触媒の中心部と周辺部で断面積が異なるセルを一体成形した「FLAD®」基材を用いた新型の触媒を商品化すると発表しました。
現在、一般的に使用されているガソリンエンジン用の排出ガス浄化触媒の基材は、セラミックス(コージェライト)を材料とし、四角形や六角形のセルで構成されたハニカム構造となっています。この基材内部のセルの壁面に、触媒機能を与えるための白金(Pt)やロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)などの貴金属を含む触媒材料を塗布し、排出ガス中の有害な一酸化炭素(CO)、未燃炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)を浄化(酸化・還元)し、無害化するという仕組みになっています。
従来型の触媒はセルの断面積が均一ですが、このほど(株) デンソーと共同で新たに開発された「FLAD®」基材は、中心部と周辺部でセルの断面積が異なる構造をしています。これは排出ガスの流れを従来よりも均一化することを追求した結果この構造になりました。
この構造を導き出すまでに、中心部と周辺部を構成する各セルの断面積の比率や、セルの密度が異なる中心部と周辺部のそれぞれの断面積の比率など最適な値について、シミュレーションや試作基材を使った検討を繰り返して検証が行われました。そして、従来型と同等の排出ガス浄化性能を維持しながら、貴金属使用量を約20%低減させるとともに、触媒容量の約20%小型化に成功するとともに、量産化も実現したのです。
2017年春頃発売予定のレクサス「 LC500h 」を皮切りに新型車両に順次搭載していくとしています。