クルマが一挙に大衆化した1970年代〜80年代。高性能車が続々と誕生し、クーペが若者の憧れだった時代を振り返る期間限定の連載の始まり。今回は1983年に登場して若者を中心に大ヒットとなった、ホンダ・シティターボⅡにスポットを当ててみましょう。
1983年11月、ホンダはそれまで若者のあいだで爆発的にヒットしていたシティ(ターボ)に、その性能を一段と強化したターボⅡを投入した。ボディは前後にダイナミックフェンダーと呼ぶ大きなブリスターフェンダーを装着。それに合わせて、トレッドも前30㎜・後20㎜拡大して、コーナリング性能の限界アップも図った。エンジンはシティターボと同じPGM-FI仕様のER型1.2リッターSOHCターボだが、新たにインタークーラーを装着。最高出力は+10psとなる110psまでアップ、トルクも1.3kgm向上して16.3kgmを発生した。その性能向上は著しく、最高速度171.1km/h、0-400加速は15.92秒を達成した。1.6リッターDOHCを搭載するAE86レビンの0-400mが16.14秒であったことを考えれば、恐るべき俊足ぶりであった。