Motor Magazine編集部では長年にわたり長期テストを行ってきたが、プラグインハイブリッド(PHEV)を導入するのは初めての試みである。これは、これからPHEVの需要が高まると考え、いちはやく編集部に充電設備を用意したからできたことでもある。
画像: 2017年1月の走行距離=1051km。1カ月の平均燃費=リッター7.6km。今回の充電回数は3回。年末年始休暇が長く、さらに担当者が年始から海外取材に出かけていたため12月22日から1月12日までまったく稼働していないという状況だった。しかし本格的に2017年の仕事が始まってから徐々に距離を重ねることになり、今月の走行距離も1000kmを超えた。ただし高速道路を長距離走るようなことがなく都内、または都内近郊での移動がメインだったため燃費はテスト開始以来一番悪い数値となった。

2017年1月の走行距離=1051km。1カ月の平均燃費=リッター7.6km。今回の充電回数は3回。年末年始休暇が長く、さらに担当者が年始から海外取材に出かけていたため12月22日から1月12日までまったく稼働していないという状況だった。しかし本格的に2017年の仕事が始まってから徐々に距離を重ねることになり、今月の走行距離も1000kmを超えた。ただし高速道路を長距離走るようなことがなく都内、または都内近郊での移動がメインだったため燃費はテスト開始以来一番悪い数値となった。

PHEVのメリットを存分に味わってみた

プラグインハイブリツド(PHEV)を長期テスト車に導入するのは、このXC90 T8 ツインエンジン AWD インスクリプションが初めてとなるためいろいろと試しながら使っている。

たとえばどのドライブモードだとEV走行距離が一番長いのか、それは他のモードとどのぐらい違うのか、満充電までの所要時間はどのくらいなのか、充電中にスタートスイッチを回すとどうなるのか、などなどである。こうした疑問を少しずつ解きながら日々運転しているのだが、いくつかわかったことがあるのでここで報告したい。

画像: 付属のケーブルで充電。クルマをロックするとケーブルも抜けないように固定される。充電の状況は充電口の色によりわかる。

付属のケーブルで充電。クルマをロックするとケーブルも抜けないように固定される。充電の状況は充電口の色によりわかる。

まず満充電までの時間は、充電ケーブルを挿すとメーター内に表示されるのだが、そのときは「充電完了まであと何分」ではなく、「充電完了時間:何時何分」と表示される。また満充電までの所要時間は約2時間30分であることもわかった。

そしてそれぞれのドライブモードでの満充電時のEV走行距離だが、AWD(四輪駆動)が35km、Pure(ECO運転)が40km、Hybrid(日常の運転)が35km、Power(スポーティな運転)が34km、OffRoad(未舗装路)が34km、Individual(運転嗜好)が34kmと表示される。

つまり、〝Pure 〞にした時が一番距離が長く表示されるのだが、〝Hybrid〞との差は5kmぐらいしかない。ただし、これはあくまで満充電時に表示されるもので、実際にEV走行できる距離では5km以上の差が出るように感じている。

画像: こちらは充電器側。屋根のあるガレージの入り口から一番遠い場所にあるが、付属ケーブルに十分な長さがあり問題ない。

こちらは充電器側。屋根のあるガレージの入り口から一番遠い場所にあるが、付属ケーブルに十分な長さがあり問題ない。

ここで、「でも〝Pure〞だと走りに不満を感じるのでは」、「XC90の気持ちいい走りがスポイルされてしまうのではないか」と思う人もいるかもしれない。しかしそれも気にしなくていいだろう。

高速道路やワインディングを元気よく走るなら話は別だが、一般道をまわりの流れに乗って走るなら〝Pure 〞で十分である。いや、〝Pure 〞が最適、と言ってもいいだろう。そういうわけで、運転するたびにわざわざ設定するのではなく、日頃から〝Pure 〞で走りたいので、XC90を始動したときに「デフォルトで〝Pure 〞にできればいいのに」と前回、ここで書いた。

画像: 充電中は始動できないようになっていて、スタートスイッチを回すと上のような警告がで出る。

充電中は始動できないようになっていて、スタートスイッチを回すと上のような警告がで出る。

実はこれ、勉強不足だったようで、XC90はかなり細かい設定ができ、始動時から〝Pure 〞にすることができるようである。どうやって設定するかという報告はまたの機会にしたいが、やはりPHEVとしてのメリットを存分に味わうため、頻繁に充電するようにしたい。(文:千葉知充・Motor Magazine編集部/写真:永元秀和)

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