発表された変更ポイントは少ないが…。
主な変更ポイントを挙げておこう。
まずグレード名を「コンペティツィオーネ」から「スーパー」に変更。
エクステリアでは、フロントグリルのV字型をより一層シャープに強調されたデザインに変更。車体前後のブランドロゴを新しいデザインに変更。
インテリアでは、ブランドロゴを変更。さらに、クルーズコントロールを標準装備した。
…というわけで、マイナーチェンジとは言っているが、一部改良のレベルだろう。
実車を目にしても、マイチェン前のモデルと並べて比べない限り、ほとんど違いは分からない。
スペック上の違いはないから、乗り味も変わらないかと思ったが、じつはけっこう変わっていた。
従来モデルでは乗り心地はかなり硬めだったが、これが改善されていた。
ほかのBセグ・ハッチバックに比べればまだ硬めだけれど、カドの取れた乗り心地というか、しなやかな乗り味になって市街地の不正路面でも不快感は少ない。
むしろワインディング走行を楽しむには、ちょうど良いくらいかもしれない。
1.4Lターボには従来から「DNA」というドライビングモード切替スイッチがあり、Nのノーマルでも十分走るが、Dのダイナミックにするとかなり元気な走りっぷりを見せる(Aはオールウエザーで悪天候用)。
6速DCTは「シングルクラッチのAMT?」と思うくらい発進時には少しモタつきを感じるが、走り出してしまえば問題ない。
6速100km/hのエンジン回転数は約2500rpm。
低速からトルクのあるエンジンだが、その気になれば6000rpmまで回してもパワー感はしっかり付いてくる。
Bセグ・ハッチバック市場は日本車・輸入車とも多くの車種がひしめき合う激戦区。
そうしたライバルに対するミトのアドバンテージは、まずスタイリングだろう。
ミッドシップスポーツの4Cをインスパイアしたデザインは、好きな人にはたまらない。
フラウ製の本革シートを採用した内装もオシャレだし、ワインディングなどで走りを楽しめば、アルファロメオの血統を感じさせる。
実用性を重視すればドイツやフランスのライバルのほうが使いやすいし、経済性では日本のライバルがずっと上。
でも、ミトのスタイリングや走りっぷりが気に入ったのなら、それ以外のクルマは眼中に入らない。
クルマ選びとは、得てしてそういうものではないだろうか。
(文:篠原政明/写真:井上雅行、ほか)
ミト スーパー 主要諸元
全長×全幅×全高:4070×1720×1465mm
ホイールベース:2510mm
車両重量:1260kg
エンジン型式・種類:955A7型・直4DOHC+ターボ
総排気量:1368cc
最高出力:99kW[135ps]/5000rpm
最大トルク:190Nm[19.4kgm]/4500rpm
(ダイナミックでは230Nm[23.5kgm]/1750rpm)
JC08モード燃費:14.6km/L
燃料・タンク容量:プレミアム・45L
トランスミッション:6速DCT
駆動方式:FF
サスペンション 前・後:ストラット・トーションビーム
ブレーキ 前・後:Vディスク・ディスク
タイヤサイズ:215/45R17
価格:329万4000円