文:こもだきよし/写真:BMW ジャパン
やはりBMWの直6エンジンは力強く、滑らかで、静かだ
この軽量化はドライバビリティにも良い効果が出ている。520dツーリングは2L直4ディーゼルのN47D20Cから新型のB47D20になり、最大トルクも400Nmに20Nm上がっていることとボディの軽量化によって軽快な走りになった。さらにハンドリングも軽快で、カーブを曲がるときにボディの重さを感じさせない。
2Lディーゼルで市街地はもちろん、アウトバーンでも200km/hオーバーで走れるので、これで十分だと思っていたが、530dツーリングに乗ると、プラス1L、プラス2気筒のメリットを感じた。アクセルペダルを踏み始めたときの力強さが増して、アクセルペダルの動きに遅れず加速Gを感じる。回転が上がっても振動はなく、静粛そのものだった。
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このエンジンも先代のN57D30AからB57D30という新型ディーゼルになっている。最高出力は265ps、最大トルクは620Nm、燃費は11%向上と優等生エンジンである。ガソリンエンジンほど高回転まで回らないが、BMWが“直6”にこだわる理由がこのエンジンに乗るとよくわかる。日本仕様としてこの530dツーリングが設定されることを期待したい。
今回からディーゼルエンジンは、アドブルーを使う仕様になった。これはユーロ6という排出ガス規制をパスするためには必要なのだという。燃料の軽油を入れる口の隣に青いキャップのアドブルーの給油口がある。パッシブタンクに13L、そこからポンプで送られるエンジンルームにある電気ヒーター付アクティブタンクには8L入る。航続可能距離は1万5000kmほどだが、アウトバーンのように高負荷で走るチャンスが少ない日本ではもっと伸びるらしい。
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新型5シリーズツーリングは、外観の変化こそ小さいが、中身の進化が大きいフルモデルチェンジだ。
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テールランプは車幅を広く見せる横長デザインになっている。
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ディーゼルエンジンは2L直4ディーゼルターボのB47D20型と3L直6ディーゼルターボのB57D30型の2機種を用意する。
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トランスミッションは8速ATが採用される。メインディスプレイは5シリーズセダン同様に「ジェスチャーコントロール」を装備。
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ラゲッジフロア下には収納スペースもある。仕切りようのレールも用意されるなど使い勝手はとてもいい。
ラゲッジルームの使い勝手も向上している。荷室を広く使うとき、ネットとカバーを巻き取る長い棒はフロア下に収納できるようになった。後席のバックレストはリアゲート寄りにある電気スイッチで倒すことができる。もちろんこれまでのガラスとリアゲートの2way方式はそのまま継承されている。
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BMW 5シリーズツーリング主要諸元表( EU準拠)