WRCのグループBに参戦予定だったマツダ・サバンナRX-7のデッドストックが発見され、9月にロンドンで開催されるオークションに出品されることが判明。果たしていくらで落札されるのでしょうか?
画像: 出品されるのは1985年に作られた1台。1990年代前半にコレクターの手に渡ってからもエンジンに火を入れられたことはほとんどない。まさにデッドストックのグループBマシン。

出品されるのは1985年に作られた1台。1990年代前半にコレクターの手に渡ってからもエンジンに火を入れられたことはほとんどない。まさにデッドストックのグループBマシン。

WRCラリーが改造し放題のグループB全盛だった1980年代。日本からもトヨタ・セリカ、日産240RSなどが参戦し、欧州のモンスター・ラリーマシンと鎬を削っていました。そんな中で異彩を放っていたのが、マツダのサバンナRX-7。1984年−1985年に参戦したこのグループBマシンは、それに先立つ1982年シーズンにグループ2クラスに初参戦。翌83年には本格参戦を目指しマツダラリーチームヨーロッパが設立され、84年からグループBに参戦したという変わりダネです。搭載エンジンはノーマルの12A型からおよそ300馬力を発生する13Bに換装されていましたが、駆動方式は後輪駆動のままでした。1985年のアクロポリスラリーでは3位に入賞しています。

画像: ハイパワーミッドシップ4WDの時代に、オーソドックスなFRで挑んだ。

ハイパワーミッドシップ4WDの時代に、オーソドックスなFRで挑んだ。

しかし規程の変更でより改造範囲がより広がったことによって、ライバルたちはホモロゲーション制度を利用して、よりハイパワーなエンジンをミッドシップに搭載し、駆動方式も4WDに変更したモンスターマシンを送り込んできます。オーソドックスなFRレイアウトのRX-7では太刀打ちできず、1985年シーズンをもって一旦退場。より生産車に近いグループAの時代になって、ファミリア4WDでWRCに返り咲きます。

画像: エンジンは約300馬力にチューニングされた13Bエンジンを搭載。それにしても美しいエンジンルームだ。

エンジンは約300馬力にチューニングされた13Bエンジンを搭載。それにしても美しいエンジンルームだ。

というわけで、RX-7のグループBマシンは2シーズンしか活躍しなかったワケですが、実はこのマシンは7台作られたようです。ところがその中の1台は実戦に投入されず、ベルギーにあるマツダ・ヨーロッパの倉庫で長い眠りについていたのでした。その後、1990年代前半にはコレクターの手に渡りましたが、やはり塩漬け状態でエンジンに火が入れられることはなかったそうです。

そんな超レアなマシンが、9月にロンドンで開催されるRMサザビーズのオークションに出品されることが公示されました。これまでもグループB関連マシンが出品されることはありましたが、いずれも当時のホモロゲーション・モデル(認可を得るための市販モデル)だったり、実戦投入歴のあるマシンばかり。今回のRX-7のように、実戦に投入されずそのまま塩漬けになっていたマシンが出品されるのはレアケースだといいます。さて、歴史的価値がどの程度あるのかわからないこのRX-7、果たしていくらで落札されるのでしょうか。関係者でも予想がつかないそうです。

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