新たに採用したのは尿素SCRシステム
世界的なSUVブームの昨今。
「えっ?! そんなプレミアム・ブランドや、そんなスーパーカー・ブランドも、SUVを出しちゃうの?」と、聞き返したくなるくらいの盛り上がりようですけれど、そんな中、2017-18 日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したボルボXC60も人気街道を驀進しています。
そのXC60、日本仕様が発表されたときからディーゼルエンジンモデルはラインアップされていたんですけれど、ようやく日本導入が始まったというのが今回のトピックなんです。
意外なことに、日本に導入されているボルボ車のラインアップには、これまでAWDのディーゼルエンジンモデルは存在していなかったんです。
そしてこのエンジン、環境性能を満たすために尿素SCRシステムが導入されたというのも大きなポイントなんです。やはり、それなりの排気量のディーゼルエンジンで効率良くパワーと環境性能を両立させようとすると、尿素SCRシステムを使うのが今のところのベストらしいんですね。
さて実際に乗ってみると、とにかく低回転域から気持ち良くトルクが乗ってくれるんです。アクセルを踏むというよりも、押すといったフィーリングでジワジワと力を発揮してくれて、そのまま中回転域までストレスなく回ってくれるんです。
そのおかげで、ストップ&ゴーが多く低中速域領域を使うのがほとんどの街中では、疲労度が圧倒的に少なくなることは請け合いでしょう。また、むやみにアクセルを踏み込むことがなくなるから、より燃費も伸びてくれるはずです。
そして何よりエンジン透過音が静かなので、ディーゼルということをまったく意識させず、どちらかと言えばロードノイズや風切り音の方が気になるくらい静かなのも嬉しい点でした。
さらに感動したのが、アイドリングストップからの再始動の際の、振動のなさと音の静かさ。「燃費は良いけど、どうも好きになれない」という、アイドリングストップ嫌いの方でも、スイッチをオフすることもなく心地良く使ってくれると思えます。
とにかく、すべてが上質なので、ライバルよりも一歩抜きんでた存在でいられるでしょう。電動化もいいけれど、わたし個人的には全車種にAWDのディーゼルエンジンモデルのラインアップが欲しい!と思わずにはいられませんでした。
(文:竹岡 圭 写真:玉井 充)
ボルボ XC60 D4 AWD インスクリプション 主要諸元
全長×全幅×全高:4690×1900×1660mm
ホイールベース:2865mm
重量:1880kg
エンジン:直4DOHCディーゼルターボ・1968cc
最高出力:140kW<190ps>/4250rpm
最大トルク:400Nm<40.8kgm>/1750-2500rpm
ミッション:8速AT
駆動方式:フルタイム4WD
JC08モード燃費:16.1km/L
タイヤ:235/55R19
価格:679万円