アヴェンタドール、ウラカンに続くランボルギーニ第三のモデルであり、同社初のスーパーSUVとなるウルスに、イタリア ローマ郊外試乗することができた。設定されたコースは、サーキット、オフロード、そして一般道である。こうした様々なシチュエーションでハンドルを握った印象をお伝えする。

最高速300km/h超がランボルギーニとしての証

「それは当然だよね」これはランボルギーニ ウルスの好調な受注状況を知ったときに思わず口から出た言葉である。一部には納車まで二年待ち、三年待ち、という報道もあるが、果たしてそこまで待つ価値はあるのか。それは試乗後、最後に結論を述べたい。 

画像: ウルスはランボルギーニとして初めてターボエンジンを搭載した。

ウルスはランボルギーニとして初めてターボエンジンを搭載した。

ここで少しウルスの詳細を紹介したい。まずはディメンジョンから。全長×全幅×全高は5112
×2016×1638mm、ホイールベースは3003mmである。

デザイナーのミンティア・ボルケルト氏によれば、デザインはランボルギーニが1986年から約300台販売した「LM002」からサイドの三角形のエアアウトレットなどインスパイアされた部分があり、またウルスもほかのモデル同様に、ライン1本でランボルギーニだとわかるという。たしかにそうだ。それは並べて見るとよくわかる。

搭載するのは4LのV型8気筒ツインターボエンジンである。このランボルギーニが初めて採用したターボエンジンは、最高出力650ps、最大トルク850Nmを発生。0→100km/h加速は3.6秒、を記録する。そして最高速は305km/hだ。これは市販SUVの中で最速となる。

ランボルギーニのステファノ・ドメニカリCEOによれば、最高速300km/hはSUVを作る上で絶対に必要な条件だったと言う。つまりランボルギーニとしてはSUVであっても300km/hの最高速度が出ないクルマは作らない、ということなのである。

画像: ランボルギーニ初のターボエンジンを採用、最高出力650ps、最大トルク850Nmを発生。 パワーウエイトレシオは3.38kg/psとなる。

ランボルギーニ初のターボエンジンを採用、最高出力650ps、最大トルク850Nmを発生。
パワーウエイトレシオは3.38kg/psとなる。

画像: メーターはドライブモードによって表示が変更されて、様々な情報が表示できるランボルギーニの最新版を装備。Corsaはサーキット、Sabbiaは砂漠、Terraはオフロード、Neveは雪上のモードでEGOはカスタマイズ可能モード。

メーターはドライブモードによって表示が変更されて、様々な情報が表示できるランボルギーニの最新版を装備。Corsaはサーキット、Sabbiaは砂漠、Terraはオフロード、Neveは雪上のモードでEGOはカスタマイズ可能モード。

ちなみにこのV8ツインターボエンジンは、同じフォルクルワーゲングループで使われ、新型カイエンターボ、ベンテイガV8も搭載する。そのすべてに試乗したが、ベースが同じエンジンであってもそれぞれの特徴があってカイエンターボはやはりポルシェらしいし、ベンテイガはベントレーらしい。もちろんウルスも同様にラインボルギーニそのものだ。素材こそ同じでも料理してみるとこうしたそれぞれのブランドに相応しい個性がしっかりと表現されているのはさすがである。

すでに成功が約束されているランボルギーニ第三のモデル。

試乗前にパワートレーンの開発者に「エンジンはカイエンターボと同じだからフィーリングも似ているのですか?」と聞いたら「ウルスはランボルギーニそのものです。本当にそうなのかは自分で運転して確認してください」と自信たっぷりに言っていたが、それは見事にそのとおりだった。

画像: ホイールベースは3003mmだがリアホイールステアリングによって最小回転半径を低減する。横から見るとウインドウ面積が少ないというランボルギーニの特徴がよくわかる。

ホイールベースは3003mmだがリアホイールステアリングによって最小回転半径を低減する。横から見るとウインドウ面積が少ないというランボルギーニの特徴がよくわかる。

 さてウルスの試乗は、まずサーキット走行から始まった。ハンドルを握ってコースイン。最初は慎重に、でも徐々にペースアップしたが周回を重ねるとウルスはまるでスポーツカーでサーキットを走っているような感覚になる。約2トンというボディの重さを感じさせない軽快さで右足にレスポンスよく反応、終始SUVなのになんでこんなにサーキットを走るのが楽しいのだろうと感じていた。

画像: 一番上がカウンタック、中がアヴェンタドール、そして下がウルスの真横の姿。ミンティア氏はこの黄色いラインだけでランボルギーニであることを描いて見せてくれた。

一番上がカウンタック、中がアヴェンタドール、そして下がウルスの真横の姿。ミンティア氏はこの黄色いラインだけでランボルギーニであることを描いて見せてくれた。

ブレーキはカーボンセラミックコンポジットディスクを標準で採用する。このディスクは、フロント440mm×40mm、リア370 mm ×30mmという市販車のなかでも最大サイズだ。これも高い安心感をもたらしてくれるが、SUVでサーキットを走ること自体がランボルギーニの自信の現れなのだろう。

ところで試乗車にはオプションの前285/35R23、後325/30R23サイズのタイヤを装着していた。こんな大きなサイズのタイヤ装着車を運転するのは初めてだが、まったくサーキットでは気になるところはなかった。

オフロード走行もメニューに用意されていた。そこで用意されていたウルスは、21インチのオフロードタイヤを装着していた。ちなみに4WDシステムは通常時はフロント40%、リア60%のトルク配分だが、状況により自動的に、フロント70%、あるいはリアに最大87%のトルク配分に変化する。

画像: 4WDシステムは、標準時に前40%、後60%のトルク配分となるが、状況に応じて前に最大70%、あるいは後に87%の駆動力を配分する。

4WDシステムは、標準時に前40%、後60%のトルク配分となるが、状況に応じて前に最大70%、あるいは後に87%の駆動力を配分する。

ランボルギーニとしては初のレベル2のADASを採用する

では一般道での乗り心地はどうだろう。大型ボディを持て余すことはないのだろうか。結果を先に言ってしまえばそうした心配も必要なかった。これは最大±3度の角度で自動調整されるリアホイールステアリングのお陰で大柄なボディから想像していたより小回りが効くからだ。これなら日本の道もそれほど苦にしないだろう。また23インチサイズのタイヤも乗り心地が悪い印象はなかった。

最後にADAS(先進運転支援機能)にも触れておきたい。ランボルギーニとしては初めてレベル2の機能が搭載されているし、自動ブレーキも搭載されるなど必要な機能はしっかり揃っている。実際にACCなどは違和感もなくかなり使い勝手もいいと感じた。

さて、ウルスはもっとも快適で実用性のあるランボルギーニであるというばかりではなく、そこに“最速”という冠が付くSUVである。日本ばかりではなく世界中で販売が好調で今オーダーしても納車まで少し時間がかかりそうだが、待つ価値は“ある!”クルマだと言えるだろう。

ランボルギーニウルス 主要諸元
●Engine:種類 V8DOHCツインターボ、総排気量 3996cc、最高出力 478(650)kW(ps)/6000rpm 、最大トルク 850Nm/2250-4500rpm、燃料・タンク容量 プレミアム・85L、燃費 総合 8.1km/L 、CO2排出量 279g/km
●Dimension&Weight:全長×全幅×全高 5112×2016×1638mm、ホイールベース 3003mm、トレッド 前1695/後 1710mm、車両重量 2275kg、ラゲッジルーム容量 616/1596L
●Chassis:駆動方式 4WD、トランスミッション 8速AT、ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション形式 前マルチリンク/後マルチリンク、ブレーキ  前Vディスク/後Vディスク、タイヤサイズ  前 285/45R21 後 315/40R21
●Performance:最高速 305km/h、0→100km/h加速 3.6sec.
※EU準拠

This article is a sponsored article by
''.