A8、A7スポーツバックに続き、A6も新型へ進化した。この新しいアウディのEセグメントセダンは、徹底したデジタル化や48Vの主電源システムも備えたマイルドハイブリッドシステムの搭載、さらに最新の先進安全運転支援機構(ADAS)の採用など全方位で革新的技術が投入されている。
(写真:アウディ ジャパン)

徹底的なデジタル化と効率的なマイルドハイブリッド化

以前、といってもA8が投入されるまでだが、アウディのフラッグシップといえばアウディ100だった。このアウディ100は1960年代の後半から販売されていたのだが、1990年代半ばの4世代目(C4)のマイナーチェンジからA6を名乗ることになる。これはアウディ100のマイナーチェンジの前にアウディ80がA4にネーミング変更され、さらにFセグメントのフラッグシップとなるA8がデビューしたことにより、100もA6というモデル名に変更されたわけだ。

画像: 新型A6には最大39ものドライバーアシスタンスシステムが搭載される。フロントウインドウ上部には単眼カメラが装備。これらセンサー類はA8と同じとなる。

新型A6には最大39ものドライバーアシスタンスシステムが搭載される。フロントウインドウ上部には単眼カメラが装備。これらセンサー類はA8と同じとなる。

私事で恐縮だが、このアウディ100(C3)に6年ほど乗っていたことがある。それは
80年代後半から90年代の初めのことでアバントではなくセダンの姿カタチに惚れて購入したのだが、これはとても気に入って12万kmほど走りまわった。あとにも先にも自分のクルマで10万km以上走ったのはこのアウディ100だけである。

画像: C1系の初代アウディ100からC8系の最新A6までのフロントのデザインの変遷。

C1系の初代アウディ100からC8系の最新A6までのフロントのデザインの変遷。

ちなみにアウディは、A4がB系、A6がC系、A8がD系と呼ばれ、前述したがA6のC系の源流はアウディ100(200も含む)となる。C1からC4までがアウディ100で、C4のマイナーチェンジからA6を名乗ることになるのである。
そんな浅からぬ縁のあるA6の新型(C8)の国際試乗会に参加した。当然、どのような進化を遂げているのか期待していた。

電動化とデジタル化などセグメントトップクラスの技術

まず初対面となるA6のまわりをぐるりと一周。ホイールアーチに膨らみが見られるが、これは初代クワトロのブリスターフェンダーに対するオマージュになっているという。「なかなか格好いいじゃない」と思わず言葉が漏れた。もともとアウディ100のスタイルに惚れたぐらいだから、このカタチも、かなり好みだ。

画像: アンビエントコンツァーライティングパッケージではグローブボックスカバーの“quattro”のロゴにもバックライトの照明が付く。

アンビエントコンツァーライティングパッケージではグローブボックスカバーの“quattro”のロゴにもバックライトの照明が付く。

試乗車として用意されていたのは55TFSIクワトロである。アウディは昨年からグレード名を改めた。従来は3.0TFSIと呼ばれていたモデルが55TFSIを名乗るのだが、搭載されるのは3LのV型6気筒ターボエンジンである。つまりはエンジン排気量で表記するのではなく、出力の大きさで名称を変えるというわけだ。

画像: ステアリングホイールは3本/4本スポーク、ラウンド/フラットボトム、シフトパドル付き/なし、ステアリングヒーター付き/なしから選択することができる。

ステアリングホイールは3本/4本スポーク、ラウンド/フラットボトム、シフトパドル付き/なし、ステアリングヒーター付き/なしから選択することができる。

アウディは同じ2L直4モデルでも出力違いとかがあるのでその場合は、新しい呼び方のほうがわかりやすいと思う。まだ少し慣れない名称だが、まあそのうち違和感もなくなることだろう。

画像: アルミクランクケースを採用した3L V6ターボエンジンは重量わずか172kg。エキゾーストシステムは90度Vバンクの内側に配置される。

アルミクランクケースを採用した3L V6ターボエンジンは重量わずか172kg。エキゾーストシステムは90度Vバンクの内側に配置される。

さらにこのモデルは、48Vバッテリーも搭載するマイルドハイブリッドである。アウディの最新モデルはA8も全車マイルドハイブリッド化されたのと同様にA6も全車電動化されたというわけだ。
またこれによりコースティング機能は55〜160kmkm/hの間で可能となり、さらにスタート/ストップ機能は22km/hから作動するという。そしてその果実は、100km走行あたり0.7Lの燃料の使用削減としてもたらされた。

試乗はエアサスペンションとコイルサスペンションを試したが気に入ったのは前者だ。凸凹が連続した石畳をまるで気にしない快適な乗り心地はクラスの常識を超えている。フラッグシップA8のようなコンフォートぶりだ。A6はA8にとても近いメカニズムを搭載しているのだが、トランスミッションは違っていて、A8は8速ATとなり、A6は7速DCT(Sトロニック)が組み合わされる。

革新的なデジタル化も注目ポイントだ。最新のMMIは、多機能を集約したスマートフォンライクな操作が可能なタッチ式ディスプレイを備え、従来に数多くあったスイッチ類は大幅に整理された。
そのディスプレイは、上部に10.1インチ、下部には8.6インチを備える。どちらもタッチ式で、上部はナビゲーション機能に加え多彩なインフォテインメント機能を持っている。またここに表示されるアイコンはショートカットとして最大27個の表示ができ、カスタマイズも可能だから使い勝手もいい。また下部は空調コントロールの機能に加え、テキストの手書き入力にも使用できる。

画像: フルHD画像の12.3インチディスプレイのアウディバーチャルコックピットを採用。

フルHD画像の12.3インチディスプレイのアウディバーチャルコックピットを採用。

このテキストの手書き入力は実際に使ってみたが、とても便利な機能である。たとえばナビの目的地設定の場合、〝HOTEL〞と書けば(重ねて書いてもOK)周辺のホテルが検索され、ディスプレイに並ぶというわけだ。ただし便利なのは左ハンドル車の場合で、それは右手で手書きできるからである。日本に導入される右ハンドル車はこの手書き機能を左手で使わなければならないので実際の使い勝手はまだ不明だ。左利きの人ならメリットはあるだろう。
こうしたタッチ式ディスプレイは便利だが、機能が数多く詰め込まれていることもあり、運転中にそれを使いこなすには優れた音声操作システムが必要となる。それがあって使い勝手は良くなるので、そのあたりは日本導入時にどうなっているのか確認してみたい。

画像: MMIナビプラスのディスプレイは上が10.1インチ、下が8.6インチを採用する。

MMIナビプラスのディスプレイは上が10.1インチ、下が8.6インチを採用する。

SIMを搭載していて常時インターネットに接続

新型A6は、アウディバーチャルコックピットも装備している。これは12.3インチの高解像度ディスプレイを採用する。さらに多彩なカラー表示が可能なヘッドアップディスプレイも用意されている。
加えてアウディコネクトSIMを搭載し、常時インターネットに接続されているのも特徴だ。データ転送モジュールは高速で安定的かつ高度な通信が可能となるLTEアドバンスに対応するためグーグルアースを使ったナビゲーションシステムも使用可能である。

画像: エアサスペンション装着車は好みの足まわりのセッティングを選ぶことができる。

エアサスペンション装着車は好みの足まわりのセッティングを選ぶことができる。

試乗車は、オプションのHDマトリクスLEDヘッドライトを装備していた。左右各32個のLEDで構成されるこのユニットは、対向車などを幻惑しないよう自動的に光軸を調整する機能がある。またこのヘッドライトとの組み合わせでフルデジタルテールライトが装備される。特徴は左右の各9個の垂直のセグメントを備えた立体的なライトフィンだ。これがまた周囲からの注目度がかなり高い。ただ今回はナイトドライブができなかったのでその実力は、日本での試乗で確認したい。

ボディの大きさを感じないA3ぐらい小回りが利く

先進の安全運転支援機能(ADAS)にも触れたい。基本的にA8同様の機能を持つが、最大で39の運転支援機能を搭載する。クルマには24のセンサーが搭載され周囲360度を常時監視している。試乗中、高速道路を走っているときにはとくにアダプティブクルーズアシスト(ACA)が、とても便利だと感じていた。

画像: 全車にマイルドハイブリッドシステムを採用。V6エンジン車には48V電装システムが搭載されスタート/ストップ機能の作動範囲は最大22km/hにまで拡大、この結果100km走行あたり約0.7Lの燃料の削減に成功した。

全車にマイルドハイブリッドシステムを採用。V6エンジン車には48V電装システムが搭載されスタート/ストップ機能の作動範囲は最大22km/hにまで拡大、この結果100km走行あたり約0.7Lの燃料の削減に成功した。

新型A6のボディサイズは従来より大きくなり、全長が7mm長く、全幅が12mm広く、全高が2mm高くなった。ホイールベースも12mm長い。ただハンドルを握っていると一般道などでもあまり大きさを意識することはない。これは4輪操舵機能を採用していることが大きく貢献しているのだと思う。

画像: 試乗車は8.5J×21インチ10スポークデザイン+255/35R21タイヤを装着する。

試乗車は8.5J×21インチ10スポークデザイン+255/35R21タイヤを装着する。

この機能は、60km/hまでは前輪とは逆位相で、60km/h以上は同位相で後輪が操舵(最大5度)されるというもの。これにより回転径は最大1m小さくなりなんとA3と同等レベルの11.1mを実現している。実際、試乗コースには鋭角に曲がるような箇所が(たぶんこの回転径を試すために)用意されていたのだと思うが、「えっ、こんなところを曲がるの?」と驚いたのだが、なんとも見事に、それも楽々とクリアしてくれたのだ。
こうしてすべてを一新、大幅な進化を遂げたA6。日本導入予定は2019年早々となるようだ。

画像: 合計24個のセンサーを搭載、すべてのセンサーから取得したデータは統合するコンピューターに集められ車両の周囲を継続的に監視しアシスタンス機能を作動させる。空気抵抗係数Cd値は0.24を達成。ボディサイズは従来比で全長+7mm、全幅+12mm、全高+2mm、ホイールベースは+12mmとなる。また4輪操舵機能も搭載、60km/hまでは後輪が前輪とは逆位相、60km/h以上は同位相で操舵される。

合計24個のセンサーを搭載、すべてのセンサーから取得したデータは統合するコンピューターに集められ車両の周囲を継続的に監視しアシスタンス機能を作動させる。空気抵抗係数Cd値は0.24を達成。ボディサイズは従来比で全長+7mm、全幅+12mm、全高+2mm、ホイールベースは+12mmとなる。また4輪操舵機能も搭載、60km/hまでは後輪が前輪とは逆位相、60km/h以上は同位相で操舵される。

A6セダン 55TFSI quattro 主要諸元
●Engine=種類 V6DOHCターボ、総排気量 2995cc、ボア×ストローク 84.5×89.0mm、圧縮比 11.2、最高出力 250kW(340ps)/5000-6400rpm 、最大トルク500Nm/1370-4500rpm、燃料・タンク容量 プレミアム・73L、燃費 総合※ 14.1km/L、CO2排出量※ 161g/km
●Dimension&Weight=全長×全幅×全高 4939×1886×1457mm、ホイールベース 2924mm、トレッド 前1630/後1617mm、車両重量 1835kg※、ラゲッジルーム容量 530L
●Chassis=駆動方式 4WD、トランスミッション 7速DCT、ステアリング形式 ラック&ピニオン、サスペンション形式 前5リンク、後5リンク、ブレーキ 前Vディスク/後Vディスク、タイヤサイズ 255/35R21
●Performance=最高速 250km/h、0→100km/h加速 5.1sec.
(※EU準拠)

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