今回公開されるプロトタイプは、開発、設計、製造をイタルデザインが開発、設計、製造を手がけた。一方、内装・外装のデザインは、ロンドンの日産デザインヨーロッパと、サンディエゴにある日産デザインアメリカが担当している。ベースになったのはGT-R NISMOだ。
デザインのポイントは、ボンネット上にくっきりと浮かび上がるパワーバルジ、横に伸びたLEDヘッドライト、さらに下げられたルーフライン。さらに前輪の後ろに張り出した「サムライブレード」クーラント排出口、2ほんのポストで取り付けられた調整式の巨大なリアウイングなど。全長・全幅はそれぞれ94㎜・97㎜延長拡大され、逆にルーフ高を下げたことで全高は54㎜下がっている。ホイールベースに変更はない。
インテリアはノーマルの形状を尊重しながらも、センターコンソール、インストパネル、ドア内張りに2種類の異なるカーボン素材を採用、さらにシートには黒のアルカンターラと上質なイタリアンレザーのコンビとしている。ステアリングもカーボン製で、黒のアルカンターラのトリムをあしらっている。
VR38DETTエンジンはレースでのノウハウを蓄積したNISMOの手によってハンドビルドされる。そのパフォーマンスは推定ながら、最高出力720ps(7100rpm)、最大トルク780Nm(3600-5600rpm)まで高められる。この高められたパワーにマッチングさせるべく、ビルシュタインのサスペンション、アップグレードされたブレンボのブレーキシステムがチョイスされる。
今回公開されるのは、あくまでプロトタイプであり、来年と予想される市販時には多少の仕様変更があるはず。とはいえ、目をひくポイントはほとんど継承されるはず。つまり、デザインやパフォーマンスに関してはほぼ市販車にも生かされるだろう。それだけに、生産台数は限られ価格も中途半端なものにはならないはずだ。前出のアルバイサ氏が「次期GT-Rではない」と明言するとおり、確かにこのモデルは次世代のGT-Rではない。だがその一方で、最後のR35GT−R限定車になる可能性もある。詳細は12日に明らかに。GT-Rファンなら、固唾を飲んで待つとしよう。