保守的に思えるトヨタだが、じつはトヨタの歴史はチャレンジの歴史でもあった。時代の先を行き過ぎたクルマから、一体どうした? と首をかしげたくなるクルマまで、トヨタのチャレンジを改めて俯瞰してみる。第8回はジャジャ馬コンパクトカーの「カローラIIリトラ」だ。

カローラII リトラはまるで小さなトレノ

コンパクトカー、ターセル/コルサの第3の兄弟車として1982年に登場したモデルがカローラIIだった。折りからのボーイズレーサーブームに乗って順調に販売台数を伸ばしていった。そしてその勢いに乗って1986年5月に2代目へとフルモデルチェンジした。

画像: リアビューはノーマルヘッドランプのモデルと基本的に変わりはなかった。

リアビューはノーマルヘッドランプのモデルと基本的に変わりはなかった。

バリエーションは普通の3ドアと5ドアのほかに、ここで紹介している「3ドア リトラ」と呼ばれるスポーティグレードが設定された。その名のとおりリトラクタブルヘッドランプを採用し、1987年にフルモデルチェンジされたAE92スプリンタートレノに顔つきが似ており、さながらミニ トレノのような出で立ちだった。

画像: ブラック基調のスポーティなインテリア。本革巻きステアリングホイールのグリップは太めだ。

ブラック基調のスポーティなインテリア。本革巻きステアリングホイールのグリップは太めだ。

中でも極めつけが同年9月に登場した「GPターボ」だ。弟分のスターレットターボ(EP71)と同じ過給圧切り替え式の3E-ET型1.5Lターボエンジンを搭載。Hiモードで110ps、Lowモードでも97psと、このクラスとしてはかなりのハイパワーを発生。エンジンがシャシに勝る、かなりのジャジャ馬だったが、それを御すのが楽しかった。

画像: スターレットターボ譲りの2ステージターボエンジンを搭載。

スターレットターボ譲りの2ステージターボエンジンを搭載。

さらに1988年のマイナーチェンジでは過給圧設定が変更され、最高出力がそれぞれ115ps/105psにアップしている。結局、カローラIIシリーズでガソリンエンジンのターボ車が設定されたのはこの一世代限りで、1990年に発表された3代目では1.5L DOHCとなっている。

カローラII リトラ GPターボ(5速MT) 主要諸元

●全長×全幅×全高:3865×1625×1370㎜
●ホイールベース:2380㎜
●重量:890kg
●エンジン型式・種類:3E-TE・直4SOHCターボ
●排気量:1456cc
●最高出力:110ps/5600rpm
●最大トルク:17.2kgm/3200rpm
●10モード燃費:15.2km/L
●燃料・タンク容量:レギュラー・45L
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:185/60R14
●価格(当時):143万9000円~

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