ランエボと言えば三菱自動車の一番トガった部分を担ったクルマだ。当時としてはハイパワーなエンジンと、常に最新のフルタイム4WDシステムを搭載。見かけはセダンだが紛れもないスーパーカーだったランエボの歴史を振り返ってみたい。今回は、ランサーエボリューションVII。

再び別モデルのランサーが登場。革新装備満載のエボVII

画像: 2001年に登場したランサーエボリューションVIIは、ランエボVIまでの力強さから、より洗練されたデザインに。リアウイングは、仰角4段調整式で最適な空力特性を確保した。

2001年に登場したランサーエボリューションVIIは、ランエボVIまでの力強さから、より洗練されたデザインに。リアウイングは、仰角4段調整式で最適な空力特性を確保した。

2001年、ランサーはフルモデルチェンジが施され、エボリューションVIIとして発売された。ベースモデルはランサーセディアだったが、ワイドボディを採用したり、リアウイングを装備するなどスポーティな外観に仕上がっていた。

何といっても特徴的だったのが、駆動系でのアクティブ・センターデフ(ACD)の採用だろう。

画像: ボディのベースはランサーセディア。サスペンションの取り付け部、ボディフレーム結合部の補強、20カ所に及ぶ専用リーンフォースメントの追加などにより、従来車比1.5倍の曲げ剛性を確保。

ボディのベースはランサーセディア。サスペンションの取り付け部、ボディフレーム結合部の補強、20カ所に及ぶ専用リーンフォースメントの追加などにより、従来車比1.5倍の曲げ剛性を確保。

センターデフに装備されていた従来のビスカスカップリングに代わり、湿式多板クラッチの油圧を電子制御して前後トルク配分を行うシステムだ。その時のドライビングの状況で前後のトルク配分をリアルタイムに自動で制御する画期的なシステムと言える。しかも、制御特性をターマック/グラベル/スノーと3段階に切り替えられた。

画像: フルタイム4WD機構の要となるセンターLSDが、ビスカスカップリングからACDと呼ばれる電子制御LSDに進化。走行状況に応じて前後駆動配分を変える。

フルタイム4WD機構の要となるセンターLSDが、ビスカスカップリングからACDと呼ばれる電子制御LSDに進化。走行状況に応じて前後駆動配分を変える。

当時は、トランスファーの容量が小さく、一般ユースでは問題ないものの、ラリーに限ってはトラブルも発生した。

競技ベースだと「勝手にクルマが曲がってくれる」と言われる一方で「自分で曲げようとするとクルマが曲がらなくする」と評する選手もいた。現実的には、国内ラリーではACDをうまく使いこなすことが勝利のカギともなった。

画像: ランエボ初のAT搭載車となったランサーエボリューションVII GT-Aも登場。普通のドライバーにも、ランエボの走りを楽しんでもらうために発売された。

ランエボ初のAT搭載車となったランサーエボリューションVII GT-Aも登場。普通のドライバーにも、ランエボの走りを楽しんでもらうために発売された。

画像: 再び別モデルのランサーが登場。革新装備満載のエボVII

ランサーエボリューションVII(2001年) 主要諸元

●全長×全幅×全高:4455×1770×1450mm
●ホイールベース:2625mm
●車重:1400(1320)kg
●エンジン型式・種類: 4G63インタークーラーターボ・DOHC[16V]直列4気筒
●排気量:1997cc
●最高出力:280ps/6500rpm
●最大トルク:39.0kgm/3500rpm 
※( )内はRS

画像: ランサーエボリューションの進化は、ホリデーオート2019年1月号でも紹介しています。

ランサーエボリューションの進化は、ホリデーオート2019年1月号でも紹介しています。

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