ボディは大型化されたが、基本性能は向上した3代目NCロードスター
「3代目 NCロードスター(2005〜2014年)

NBと比較して全長、全幅とも40mm拡大し、車重は約70kgの増加となった。ただし、エンジンは2Lとしたことで速さでは旧型を圧倒した。写真は前期型。
初代NAと2代目NBが同じプラットフォームを使った兄弟車であったのに対して、3代目NCはプラットフォーム(RXー8と共有)からエンジンまでまったく別物になった。NAやNBと共通の部品はほとんどなく、本当の意味でのフルモデルチェンジとなったといえるだろう。

フロントまわりの顔つきは一新されたが、テールランプなどリアまわりのデザインはNAやNBとの共通点も見てとれる。
ボディが大きくなったことで車重が増えたのは残念な点だが、これをカバーするために2Lのパワフルなエンジンを搭載した。電子制御スロットルを採用するなど、時代に合わせた変更がなされているのも特徴だ。
インテリアのデザインも、NBまでとはまったく異なるものになった。ウエストラインも高くなり、サイドウインドーを下げて肘をドアにのせて運転するのは少しツラくなった。

ステアリングにはチルト機構が設けられ、NBまでは助手席側にあったパーキングブレーキが運転席側に移動された。メーターデザインは歴代を継承している。
このように大幅に進化したNCロードスターだが、それでもNAからNBへと続いたロードスターの大切なところは、しっかりと守られていた。それは「人とクルマとの一体感」だ。ドライバーの意志のとおりにクルマを動かすことができるフィーリングの良さだけは、同世代のどのスポーツカーにも負けない。

NBより車重が70kg増加したが、2L直4DOHCは170psを発生。189Nmのトルクバンドは広く、使いやすいエンジンに仕上がった。
ただし、クルマが大きくパワフルになり、タイヤが太く高性能になったことにより、軽快感はスポイルされてしまったのは致し方ないところだ。
タイヤを含めた足回りの性能は、確実にワンランク向上し、コーナリングの安定感も高いレベルに仕上がっている。同じコースを走り比べてみれば、間違いなくNAやNBより簡単に速く走ることができる。

インテリアも、より現代的なものとなった。通常のスポーツシートの他、レカロ製セミバケットシートも設定され高級感を演出した。
逆に言えば、NAやNBはコーナリング性能の限界が低いところを、うまく軽快さというフィーリングに変換していたとも言えるだろう。
スポーツカーとしては、NA & NBの時代よりもステップアップした性能を備えつつ、それでも、従来の乗り味を辛うじて残したのがNCロードスターの真骨頂だった。(文:鈴木ケンイチ/写真:永元秀和、井上雅行)

試乗車のRSは205/45R17だが、SとVSは205/50R16が標準装備となる。タイヤのサイズアップにより軽快感こそ薄れたが限界は上がった。
ロードスターRHT(2006年)

電動開閉ハードトップを備えた「パワーリトラクタブルハードトップ(RHT)」モデルが追加設定された。オープン状態でもソフトトップモデルと同じトランク容量を確保しており、日本でも人気を呼んだ。
マツダ・ロードスター(2005年) 主要諸元
●全長×全幅×全高:3995×1720×1245mm
●ホイールベース:2330mm
●エンジン種類:直4DOHC
●排気量:1998cc
●最高出力:162(170)ps/6700rpm
●最大トルク:189Nm/5000rpm
●当時価格(税込み):231万円~
※( )内はMT

ロードスター4世代乗り比べは、ホリデーオート2019年3月号でも紹介しています。