新しい元号が「令和」に決まり、いよいよ平成が終わろうとしているが、この時代に誕生した記憶にとどめておきたいスポーツカーたちを図鑑風に紹介していこう。5回目は2代目となる「トヨタ MR2」だ。

難しいミッドシップ車のセッティングを10年かけて熟成

「MR2(SW20型:1989年10月発売)」

画像: 直線基調だった初代からスタイリングを一新。サイズもアップされた。

直線基調だった初代からスタイリングを一新。サイズもアップされた。

日本初の量産ミッドシップとして話題を呼んだ初代MR2(AW11型)の後を継ぐ2代目がSW20型だ。ボディは全長を220mm長く、全幅を30mm幅広くしたのに合わせ、エンジンを2Lの3S-G系に変更した。

最上級のGTにはネットで225psを発生する空冷インタークーラー付きツインエントリーセラミックターボの3S-GTE型が搭載されている。

画像: セラミックターボ仕様の3S-GTE型は、1993年のマイナーチェンジ時にターボやインタークーラーの改良などを受け245psまでパワーアップした。

セラミックターボ仕様の3S-GTE型は、1993年のマイナーチェンジ時にターボやインタークーラーの改良などを受け245psまでパワーアップした。

サスペンションは形式こそAW11型と同じだが、アームの寸法、配置、剛性などが全面変更され、タイヤも前195/60R14(ホイールは6JJ)・後205/60R14(同7JJ)の前後異サイズにして、ハンドリングとトラクションのバランスがとられた。

さらに新機構として、パワーステアリングの油圧ポンプをモーターで駆動する電動油圧式パワステ(EHPS)を採用。高速走行時は電流をカットしてノンパワー同様の剛性感を得るなど、きめ細かな油圧制御によるナチュラルな操舵感の実現を目指している。

画像: ステアリングにはチルト&テレスコピック機能を装備。エクセーヌと本革のスポーツシートを採用するなど、インテリアは高い質感を誇った。

ステアリングにはチルト&テレスコピック機能を装備。エクセーヌと本革のスポーツシートを採用するなど、インテリアは高い質感を誇った。

しかし初期モデルは前輪の接地感が乏しく、急激にトラクションが抜けるためコントロールに手こずらされるなど、評価はけっして高くなかった。

そこで91年のマイナーチェンジでフロントエアダムの大型化や、タイヤを前195/55・後225/50の15インチにサイズアップ。ハンドリングの向上とトラクションの確保が図られた。

画像: 全車にプラス14万円でTバールーフを設定。ボディ剛性を落とさずにオープンエアが楽しめると、とくに北米市場で人気を得た。

全車にプラス14万円でTバールーフを設定。ボディ剛性を落とさずにオープンエアが楽しめると、とくに北米市場で人気を得た。

MR2 GT(1989年)主要諸元

●全長×全幅×全高:4170×1695×1240mm
●ホイールベース:2400mm
●重量:1240kg
●エンジン型式・種類:3S-GTE型・直4 DOHCターボ
●排気量:1998cc
●最高出力:225ps/6000rpm
●最大トルク:31.0kgm/3200rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:前195/60R14・後205/60R14
●価格:263万8000円

画像: 平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。

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