パルサーGTIーRはWRC制覇を目指した日産ホットハッチの意欲作だったが…
「日産 パルサーGTIーR(RNN14型:1990年8月発売)」
![画像: ボディはノーマルの3ドアハッチバックと変わらないが、ボンネット上のパワーバルジで迫力を増した顔つき。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/04/15/6fb9eed158b0b53bb3088bd3f4c963bcca2043f3_xlarge.jpg)
ボディはノーマルの3ドアハッチバックと変わらないが、ボンネット上のパワーバルジで迫力を増した顔つき。
1990年8月、4代目にフルモデルチェンジされた日産のコンパクトモデル、パルサー。ボディは3ドアハッチバック/4ドアセダン/5ドアハッチバックの3種類を設定し、エンジンも1.3L〜2.0Lターボまで6種類を搭載するなど豊富なバリエーションを誇ったが、そのイメージリーダーとしてラインアップされたのが、ここで紹介するGTIーRだ。
![画像: 狭いエンジンルームはギッシリで、熱対策に追われたのが惜しい。それでも0-400m加速13.5秒の俊足を誇った。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/04/15/013a728b22a8dcd8215f75b1851afb520778c60d_xlarge.jpg)
狭いエンジンルームはギッシリで、熱対策に追われたのが惜しい。それでも0-400m加速13.5秒の俊足を誇った。
GTIーRは、WRC参戦を目的に開発されたスペシャルモデルだ。搭載されるエンジンはターボ及びインタークーラーの大型化や4連スロットルなど吸排気系の改良で230psにチューンしたSR20DET型。駆動は前50:後50の固定トルク配分としたビスカスLSD付きセンターデフ式4WDという超スパルタンな設定だ。
外観も、ボンネット上にインタークーラーのための巨大なパワーバルジとエアスクープ、リアには大型のテールスポイラーなど、迫力満点。
![画像: 回転計は7500rpmからレッド表示。ラリー車ベースだけにセンターコンソールにブースト/油圧/油温計をセットする。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/04/15/b65eed6327ea1be613b0f95a3189b2179349d9be_xlarge.jpg)
回転計は7500rpmからレッド表示。ラリー車ベースだけにセンターコンソールにブースト/油圧/油温計をセットする。
だが、曲がらない。これは前70:後30の極端なフロントヘビーと、レギュレーション上195/55タイヤのサイズが拡大できず、エンジンパワーを持て余すことが原因だった。
それに加え、エンジンルームが狭いことからラジエターやインタークーラーの冷却が十分に行えないなど、コンペティションではさまざまな問題が生じた。
WRCでも1992年のスウェディッシュラリーで3位に入ったのが最高位で、わずか2年で撤退する。
それでも、日本国内では全日本ラリー選手権でチャンピオンにもなり、ダートトライアルなどで活躍し続けた。
![画像: ルーフエンドの巨大なリアスポイラーも特徴的。大ヒット作ではないが、走り屋を中心に人気を集めた。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/04/15/8a6d848b4de628fdc7c4a834d4d6f7eeebb5f9a8_xlarge.jpg)
ルーフエンドの巨大なリアスポイラーも特徴的。大ヒット作ではないが、走り屋を中心に人気を集めた。
パルサーGTIーR(1990年)主要諸元
●全長×全幅×全高:3975×1690×1400mm
●ホイールベース:2430mm
●重量:1220kg
●エンジン型式・種類:SR20DET型・直4 DOHCターボ
●排気量:1998cc
●最高出力:230ps/6400rpm
●最大トルク:29.0kgm/4800rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:195/55R14
●価格:227万円
![画像: 平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783018/rc/2019/04/15/30da9b91793e115fbeea6dd2c5a3d6e7819db93b_xlarge.jpg)
平成スポーツカー図鑑は、ホリデーオート2019年4月号でも紹介しています。