ランサーエボリューションとともに、WRC競走用ベースマシンにして公道最速を目指した究極のロードカー、スバル・インプレッサWRX STIの系譜を紹介していこう。今回は、STiバージョンのIIIとIVだ。

バージョンIIIからカタログモデルに。クーペもラインアップ

「インプレッサWRX STiバージョン III(GC8型:1996年9月発売)/IV(GF8型:1997年9月発売)」

画像: ゴールド塗装のホイールはSTiバージョンの定番となった。写真の5スポークのほか、ディーラーオプションでBBS製も選択できる。

ゴールド塗装のホイールはSTiバージョンの定番となった。写真の5スポークのほか、ディーラーオプションでBBS製も選択できる。

1995年のWRCでドライバーズ/マニュファクチャラーズのダブルタイトルを獲得して波に乗るスバルは、それまで改造車だったSTiバージョンをカタログモデルに昇格させる。

画像: WRX STiの走りとワゴンの実用性を併せ持つスポーツワゴンも人気が高かった。

WRX STiの走りとワゴンの実用性を併せ持つスポーツワゴンも人気が高かった。

MASTER 4に進化したエンジンは最高出力が自主規制値の280psに到達した。しかしSTiバージョンIIIはメタルガスケット、鍛造モリブデンコートピストン、専の大流量ターボ、93φの大口径低背圧マフラーなどの採用でトルク値をベースのWRXより+1.5kgmとなる35㎏mまで上げてきた。

レブリミットは7900rpmになり、高回転高出力型の性格をいっそう明確にしている。タイプRA STiのインタークーラー・ウオータースプレーがオートになったのもバージョンIIIからだ。

画像: エンジンは進化したBOXER MASTER-4をさらにチューンしたもので、トルクはノーマルWRXの33.5kgmから35.0kgmにアップ。

エンジンは進化したBOXER MASTER-4をさらにチューンしたもので、トルクはノーマルWRXの33.5kgmから35.0kgmにアップ。

クイックシフトリンケージを採用した専用のトランスミッションは高出力化に合わせ強化型となり、トルクの増大に対応してリアデフおよびリアアクスルのサイズアップが図られている。

駆動系は変わらず、STiバージョンIIIがベベルギア式センターデフ+リアビスカスLSD、タイプRA STiバージョンIIIはDCCD+リア2ウエイ4ピニオンの機械式LSDの組み合わせを継続採用している。

画像: コクピットはホワイトメーターや、エアバッグ内蔵MOMO製4スポークステアリングの採用でイメージを一新。

コクピットはホワイトメーターや、エアバッグ内蔵MOMO製4スポークステアリングの採用でイメージを一新。

1997年には、一部改良を受けてSTiバージョンIVに進化。エンジンは最大トルクが36㎏mに達し、タイプRA STiのリアブレーキが15インチ対向2ポットになったほか、クーペのタイプR STiバージョンIVが新設定されたのがポイントだろう。

画像: 1997年1月、クーペのSTiバージョンがタイプRとして登場した。

1997年1月、クーペのSTiバージョンがタイプRとして登場した。

インプレッサ ワゴンWRX STiバージョンIII(1996年)主要諸元

●全長×全幅×全高:4340×1690×1440mm
●ホイールベース:2520mm
●重量:1300kg
●エンジン型式・種類:EJ20型・水平対向4 DOHCターボ
●排気量:1994cc
●最高出力:280ps/6500rpm
●最大トルク:35.0kgm/4000rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:205/50R16
●価格:288万5000円

画像: インプレッサWRX STIの系譜は、ホリデーオート2019年5月号でも紹介しています。

インプレッサWRX STIの系譜は、ホリデーオート2019年5月号でも紹介しています。

This article is a sponsored article by
''.