ランサーエボリューションとともに、WRC競走用ベースマシンにして公道最速を目指した究極のロードカー、スバル・インプレッサWRX STIの系譜を紹介していこう。今回は第2世代の通称「涙目」だ。(ホリデーオート2019年5月号より)

変化は顔のみにあらず、最大トルクは40kgm超に!

「インプレッサWRX STi(GDB型:2002年11月発売)

画像: 「涙目」と呼ばれたヘッドランプユニットは、同時代のBE/BH系レガシィのものをさらに強調したようなデザインに変更された。

「涙目」と呼ばれたヘッドランプユニットは、同時代のBE/BH系レガシィのものをさらに強調したようなデザインに変更された。

2002年に登場した2代目の改良型は、通称「涙目」と呼ばれるヘッドランプとボンネットの大型エアインテークが目を引いた。

獰猛なフォルムを生み出すフロントコーナースポイラー/サイドスポイラー/大型リアスポイラーなどのエアロデバイスはスバル・ワールド・ラリーチームの次期ラリーカーとともに開発が進められたもので、空力特性向上はまさに本物と呼ぶにふさわしい。

画像: STiはスポーツ走行に最適な375mmφの小径ステアリングを採用。レッドルミネセントメーターも採用された。

STiはスポーツ走行に最適な375mmφの小径ステアリングを採用。レッドルミネセントメーターも採用された。

なにより驚かされたのが、エンジンのチューニングだ。1年前の2001年、先代のタイプRAスペックCが39.2kgmを絞り出して話題になったが、今回は遂に40.2kgmにまで強化したエンジンがSTiモデルに搭載されている。つまり、競技ベース車用の専用チューニングではないということでもある。

画像: EJ20エンジンは各部のファインチューンとツインスクロールターボの採用などで、最大トルクを40.2kgmまで向上させた。

EJ20エンジンは各部のファインチューンとツインスクロールターボの採用などで、最大トルクを40.2kgmまで向上させた。

これは、第1ー2/第3ー4気筒でまとめたスバル初の等長エキゾーストマニホールドと、排ガス通路を2分割構造としてタービン直前まで延ばし、タービンの稼動効率を向上させるツインスクロールターボの採用がキーテクノロジーとなる。

ピストンやクランク、シリンダーブロックなどをこれまでのSTiモデルで磨き上げてきた強化パーツで固めているのはもちろんだが、等長等爆排気系の効果は大きく、レブリミットも8000rpmまで高められている。

画像: アルミボンネット上のエアインテークは、STiのみ専用のアルミ導風版付き大型エアスクープが装備される。

アルミボンネット上のエアインテークは、STiのみ専用のアルミ導風版付き大型エアスクープが装備される。

グレード呼称は、競技ベース車が従来のタイプRAから単にスペックCとなった。しかし04年10月には、より純粋な競技車両ともいえるスペックCタイプRAを追加。向かうところ敵なしの布陣を着々と完成させていく。

画像: リアコンビランプの形状もわずかに変更された。WRX系に専用装備の大型リアスポイラーは、スペックCの16インチ仕様ではオプションだった。

リアコンビランプの形状もわずかに変更された。WRX系に専用装備の大型リアスポイラーは、スペックCの16インチ仕様ではオプションだった。

インプレッサWRX STi(2002年)主要諸元

●全長×全幅×全高:4415×1740×1435mm
●ホイールベース:2525mm
●重量:1440kg
●エンジン型式・種類:EJ20型・水平対向4 DOHCターボ
●排気量:1994cc
●最高出力:280ps(206kW)/6000rpm
●最大トルク:394Nm(40.2)kgm/4400rpm
●トランスミッション:6速MT
●タイヤサイズ:225/45ZR17
●価格:295万8000円

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