東京・ベイエリアのクルマのテーマパーク、メガウェブでは2019年7月8日(月)まで「ル・マンに挑んだ日本車」と題して、特別展示を実施中だ。ル・マンに挑んだ日本車の中から、エポックメイキングなモデルを4台紹介していこう。最終回は2016年の「トヨタ TS050 ハイブリッド」だ。

日本中が溜め息に包まれた、2016年のル・マン

日本メーカーがル・マンから撤退した2000年以降、レーシングコンストラクターの童夢が自社製マシンのDOME S101、S102で2001年から08年まで参戦したが、十分な結果は残せなかった。

バブル景気が去り、世の中からモータースポーツへの関心度が低まっていったこともあり、日本でル・マン24時間レースが話題になることも少なくなった。

画像: スタイリングはライバルのポルシェやアウディとも似ている。

スタイリングはライバルのポルシェやアウディとも似ている。

だが1992年を最後に消滅したSWC(スポーツカー世界選手権)が、WEC(FIA 世界耐久選手権)として2012年に復活。ル・マン24時間レースが年間シリーズに組み込まれた。

WECは時代の趨勢を反映してエネルギー回生装置を備えたハイブリッドカー(HV)の参戦を認めたため、ル・マンでもHVがトップ争いを繰り広げることになる。

長くレーシング・ハイブリッドシステムの開発を続けてきたトヨタは、新たに開発したTS030 ハイブリッドにより初年度から挑戦を再開。

画像: 飛行機の垂直尾翼のようなバーチカルフィンが特徴的なリアビュー。

飛行機の垂直尾翼のようなバーチカルフィンが特徴的なリアビュー。

トヨタは毎年優勝争いを展開するも、ポルシェやアウディの牙城は崩せなかった。

だが2016年、TS050はレース終了間際まで首位を走行していたが、残りわずか3分前でマシントラブルによりストップ。日本中が溜め息に包まれた。

2年後の2018年、圧倒的な強さで1-2フィニッシュを達成して雪辱を果たす。そして2019年も1-2フィニッシュで2連覇を達成した。なお、今回展示されているTS050は実車ではなくレプリカであることをお断りしておく。

画像: 現代のスポーツカーは、20世紀のマシンと比べるとサイドビューもまったく異なっている。

現代のスポーツカーは、20世紀のマシンと比べるとサイドビューもまったく異なっている。

トヨタ TS050 ハイブリッド 主要諸元

年式(参戦年):2016年
全長×全幅×全高:4650×1900×1050mm
ホイールベース:未発表
車重:875kg以上
パワートレーン:トヨタ ハイブリッドシステム レーシング(THS-R)
エンジン:V型6気筒 DOHCツインターボ
排気量:2400cc
最高出力:735kW(1000ps)※エンジン+ハイブリッドモーターの総合出力
蓄電装置:リチウムイオン電池
ドライバー:A.デービッドソン(イギリス)、S.ブエミ(スイス)、中嶋一貴(日本)

画像: ル・マンに挑んだ日本車は、7月8日(月)までメガウェブ ヒストリーガレージ1F モータースポーツヘリテージで展示中だ。 www.megaweb.gr.jp

ル・マンに挑んだ日本車は、7月8日(月)までメガウェブ ヒストリーガレージ1F モータースポーツヘリテージで展示中だ。

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