4輪ディスクにハードサス、走りに徹した本格クーペ
スバル レオーネクーペ 1400RX:昭和47年(1972年)12月発売
スバル360以来、高度な技術力を売り物にしてきた富士重工業(現 SUBARU)は、スバル1000、FF-1に代わるモデルとして昭和46年(1971年)10月にレオーネを送り出した。
デビュー当初はロングノーズ & コークボトル・ラインの2ドアクーペのみだったが、72年2月にサッシュレスドアを採用した4ドアセダンが追加されている。
富士重工業としては初めて若者をターゲットにしたモデルで、その頂点に立ったのが、ここで紹介するスパルタンなハードパンチャー、クーペ1400RXだ。
クーペRXは、GSRグレードをベースにした硬派なモデルだ。エンジンはGSRと同じEA63S型水平対向4気筒OHVを積み、2バレルのツインキャブと10.0の高圧縮比によって、93p/6800rpmの最高出力と11.0kgm/4800rpmの最大トルクを発生する。
排気量は1361ccだ。独特のボクサーサウンドとスムーズな吹き上がりを身上とし、高回転域の伸びもシャープである。
これにクロスレシオの5速MTを組み合わせ、最高速度は170km/hをマークした。サスペンションは前がマクファーソンストラット、後ろがセミトレーリングアームを採用する。ブレーキも、トヨタ2000GTに続き、量産モデルとして初めて4輪ディスクを奢った。
クーペ1400RXは72年12月に登場したが、75年10月には排出ガス制御のSEEC-Tを採用した1595ccのEA71型エンジンに換装。
51年排ガス対策をクリアした1600RXは、最高出力95ps/6400rpm、最大トルク12.3kgm/4000rpmと従来モデルを超えるパワースペックを実現した。
初代レオーネは当初、クーペスタイルをまとったFF車として登場し、4カ月後にに4ドアハードトップ・タイプのセダンがようやく加えられる。
それと同時にバンもデビューし、4WDがラインアップされる(積雪地帯の作業車としての需要を見込んだため)。セダンへの4WD搭載は1975年からとなる。レオーネセダン 4WDは、わが国初の乗用車ナンバーを持つ4駆となった。
レオーネクーペ 1400RX 主要諸元
●全長×全幅×全高:3995×1500×1345mm
●ホイールベース:2455mm
●重量:790kg
●エンジン型式・種類:EA63S型・水平対向4 OHV
●排気量:1361cc
●最高出力:93ps/6800rpm
●最大トルク:11.0kgm/4800rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:155SR13
●価格:73万5000円