BMWはミドルクラスSAVの「X3」とSACの「X4」にシリーズ初となるMモデルの「X3 M」と「X4 M」を追加した。(Motor Magazine 2019年9月号より)

新開発の3L直6ツインターボエンジンを搭載

地球温暖化に対する懸念を背景に、世界の燃費規制は二次曲線のような勢いで厳しさを増す一方、いまだ一部大都市で解決できない大気汚染への対応も踏まえて、「次世代パワーユニットは、電気モーターで一択!」とそんな雰囲気が、鮮明さを高めつつある。

かくして、少なくとも先進国のマーケットでは、電動化の助けを借りない「純エンジン車」が姿を消すのも、どうやらさほど遠い将来のことではなさそうだ。もはやそんな見方が避けられない中で、「パフォーマンス向上を目的に改めて開発を行った」という嬉しいコメントが聞かれるエンジンを搭載したのが、ここに紹介する2つのモデルだ。

「SAV」もしくは「SAC」と、初代X5に始まる自身のラインナップを固有の記号で紹介するBMWの「Xモデル」の中にあって、ボディ骨格やランニングコンポーネンツを共有するX3とX4は、その中堅どころに位置する。X3MとX4Mは、そんなミドルクラスでは初となる、サーキット走行まで念頭に置いて飛び切りスポーティなスタンスで開発された、BMW M社プロデュースによるコンプリートモデルだ。 

グロスブラック仕上げによる「地味派手」なキドニーグリルを筆頭に、「Mデザインエレメンツ」と名付けられた数々の専用アイテムによるコスメティックやフロントバルクヘッド、ストラットまわりを中心としたボディ補強など、これら2車の特徴を紹介するための要素は数多ある。

数あるシリーズのラインナップの中で、圧倒的に高いバリューを備えるM3やM4といった正統派モデルを差し置いて、まずはX3MとX4Mに搭載された新開発の3L直列6気筒ツインターボエンジンは、ベース仕様で480ps、専用排気系の採用とソフトウェアチューニングを施し、より充実したスポーティな装備と共に採用する「コンペティション」仕様は510psの最高出力を発生する。この新エンジンは、鍛造クランクシャフトや強化された冷却系/潤滑系の採用など、連続したサーキット走行でも音を上げることのないタフネスぶりが特徴だ。

また3Dプリンターで型を製作したシリンダーヘッドコアの採用も話題のひとつだろう。これにより、緻密で複雑なデザインが可能になるという。

画像: BMW M社の手によりサーキット走行を念頭に開発されたX3MとX4M。これはX4M。

BMW M社の手によりサーキット走行を念頭に開発されたX3MとX4M。これはX4M。

コンペティションは街中でもサーキットでも最上級の走り

アメリカでの国際試乗会に用意されたX3Mコンペティション/X4Mコンペティションの走りは、ずばり「ゴキゲンそのもの」だった。街乗りシーンでも十分にトルキーでスムーズな新開発のエンジンは、サーキットで秘めた能力を解放すると、いかにも直6エンジンらしい滑らかな回転フィールと、澄んだサウンドと共に回転数の上昇につれて際限なく高まるパワー感が官能的だ。

最高出力の発生点の6250rpmを超え、レッドラインの7200rpmまでいっさいの淀みなく、むしろ回転数が高まるほどにレスポンスが研ぎ澄まされる感覚は、まさにこれが「生粋のスポーツエンジン」であることを教えてくれる。

同時に、4WDシステムを搭載しながら後輪に駆動力のバイアスがかけられたことで、コーナーでは積極的にアクセルペダルを踏み込める。テールハッピーな姿勢を維持して行くことが可能な、FRレイアウトを彷彿とさせるハンドリングの感覚もたまらない。

こうして、本格的なサーキット走行でも、まるでM3やM4のような熱いテイストを味わわせてくれる。さらに一般路走行では何ともしなやかで上質な走りを提供してくれたことも加えておきたい。

X3M/X4Mの走りの実力は、もはや「スポーティ」には留まらない、まさに「リアルスポーツ」そのものだ。そう、それはズバリ、ポルシェ マカンターボの対抗馬と言うべき実力の持ち主でもあったのだ。(文:河村康彦)

画像: 直6エンジンらしい滑らかな回転フィールを味わうことができる。

直6エンジンらしい滑らかな回転フィールを味わうことができる。

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