ブランドの枠を超えてワールドワイドで益々活況を呈するSUVマーケット。この連載企画では、国産・輸入車を問わずSUVの「今」を感じられるモデルを順次紹介していく。今回紹介するのは「三菱アウトランダーPHEV」だ。

EV走行距離65km(JC08モード)

アウトランダーPHEVの登場は2013年のこと。そして、5年後の2018年にはエンジン、モーターからボディに至るまでフルモデルチェンジと言って良いほどの大幅な進化を遂げ、オンリーワンの地位を磐石なものにしている。

アウトランダーPHEVのシステムは、ツインモーター4WDによるS-AWC(SUPERALL WHEEL CONTROL)を基本に、エンジンによる発電と駆動を組み合わせ、走行状況やバッテリー残量に応じてEV/シリーズHV/パラレルHVの3モードを自動切換するというものだ。

この制御をより効率よく行うため、2018年の大改良でエンジンを2.0Lから2.4Lに換装。スムーズな始動と低回転域での効率の良い発電を実現した。同時に、電気システムもリアモーターの高出力化(82ps→95ps)やジェネレーター出力の約10%アップ、リチウムイオン駆動用バッテリーの大容量化(12.0kWh→13.8kWh)などにより、EV走行時の航続距離(JC08モード)を60.8kmから65.0kmに延長するなど、システム主要構成部品の約9割を改良することで、より“EVらしい”走りを実現している。

EVで気になる充電は、家で充電する普通充電と充電スポットでの急速充電に対応していて、普通充電(100%)で約45分、急速充電の場合80%まで25分と公称している。またPHEVは、駆動用バッテリー残量が減っても自動的にエンジンで発電するので外部充電しなくても走り続けることができ、普通のガソリン車と同じ感覚で使えるのが大きなメリットだ。

画像: 大幅マイナーチェンジを機にPHEVシステムの9割が改良された。(Gプレミアムパッケージ)

大幅マイナーチェンジを機にPHEVシステムの9割が改良された。(Gプレミアムパッケージ)

4つのドライブモードで安定した走りを実現

駆動は、4輪の駆動力・制動力制御を軸とした三菱自動車独自の車両運動統合制御システム、S-AWCを搭載するが、現行型アウトランダーPHEVには、ブレーキをコントロールするAYCを追加して前後駆動力配分と左右駆動力配分を制御。さらに、駆動トルクと回生トルクの制御を行う改良型が搭載されている。

また、ABSとASCのコントロールにも専用チューニングを施すことで、一段と信頼性が高まっている。ドライブモードに従来のNORMALとLOCKに加え、新たにSNOWモードとSPORTモードを追加。路面状況に影響されない高度な走行安定性を実現した点も見逃せない。

PHEVシステムだけでなく、2018年モデル以前はSエディションだけだった構造用接着剤の使用を全車に拡大採用したのも現行型の美点だ。しかも塗布範囲を、前/後ドア、ラゲッジルーム開口部、リアホイールハウスのボディパネル接合部にまで広げ、パネル同士の接合面積を増やしたことで大幅なボディ剛性アップを実現。

内外装では、ヘッドライトのハイビームにLEDを採用したほか、ラジエターグリル、前後スキッドプレート、アルミホイールのデザインなどを変更して質感の向上が図られた。空力性能を向上させるリアスポイラーを採用したのも現行型の特徴だ。

一方、キャビンに大きな変更はないが、モーターとエンジンの出力状況が分かるようにパワーメーターの表示を変更したほか、S エディションとG プレミアムパッケージでは、ダイヤキルティング本革を採用した前後シート及びドアトリムとレーザーエッチングを施したオーナメントパネルを組み合わせて上級感を高めている。

画像: 搭載の2.4L直4DOHCエンジン(最高出力128ps/最大トルク199Nm)。

搭載の2.4L直4DOHCエンジン(最高出力128ps/最大トルク199Nm)。

■三菱 アウトランダーPHEV Gプレミアムパッケージ 主要諸元

●全長×全幅×全高=4695×1800×1710mm
●ホイールベース=2670mm
●車両重量=1900kg
●エンジン=直4DOHC
●排気量=2359cc
●最高出力=94ps/4500rpm
●最大トルク=199Nm(20.3kgm)/4500rpm
●フロントモーター最高出力=60kW
●フロントモーター最大トルク=137Nm
●リアモーター最高出力=70kW
●リアモーター最大トルク=195Nm
●駆動方式=4WD
●車両価格(税込)=479万3040円

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