フェラーリは、488スパイダーの後継モデルにあたるミッドシップV8オープンスポーツ「F8スパイダー」を発表した。まずは、本国仕様の概略を紹介しておこう。

14秒で開閉可能なRHT(リトラクタブル ハードトップ)を採用

画像: 2019年夏に日本デビューを果たしたF8トリブートのオープンモデルだ。

2019年夏に日本デビューを果たしたF8トリブートのオープンモデルだ。

フェラーリのミッドシップV8スポーツには、1977年の308GTS以来、オープントップモデルがラインアップされていた。ミッドシップV8スポーツのベルリネッタ(クーペ)では、最新モデルのF8トリブートが2019年夏に日本デビューを果たしたばかりだが、これをベースにしたオープンモデルがいよいよ登場した。

フェラーリ・スタイリングセンターがデザインした美しいスタイリングは、F8トリブートを継承している。オープン化するにあたって、フェラーリでは近年快適性を考慮しており、このF8スパイダーでもRHT(リトラクタブル ハードトップ)を採用している。トップは2分割でエンジン上部に収納され、開閉に要する時間は約14秒。車速が45km/h以下なら、走行中でも開閉が可能だ。

画像: エンジンカバー部分のデザインがF8トリブートとはまったく異なる。

エンジンカバー部分のデザインがF8トリブートとはまったく異なる。

外寸やホイールベースは、F8トリブートとまったく同じ。フロントまわりはF8トリブートと基本的には変わらないが、F8トリブートではエンジンが見えるリアカバー部分はRHTを収納させるために、まったく別のデザインとなった。マンタを彷彿とさせるカバーはコクピット後ろから始まり、ブロウンスポイラーが備わるリアウイングの下で収束している。

インテリアも、F8トリブートと大きく変わらない。ドライバーオリエンテッドのクラシカルなインパネまわりはミッドシップ フェラーリの伝統であり、ほとんどのコントロールは新世代のステアリングホイールに集約されている。ドライバーの前には中央にタコメーターを配し、両側がインフォメーションディスプレイとなったメータークラスターが備わり、助手席前にはオプションで7インチのタッチスクリーンディスプレイも装着できる。

画像: インテリアは基本的にF8トリブートと変わらない。

インテリアは基本的にF8トリブートと変わらない。

コクピット後ろに搭載されるエンジンは、3.9LのV8 DOHCツインターボ。最高出力は720ps、最大トルクは770NmというパワースペックはF8トリブートと同じ。乾燥重量は1400kgと70kgほど重くなっているが、それでも7速のDCTを介して0→100km/h加速は2.90秒、0→200km/h加速は8.2秒、そして最高速度は340km/hというパフォーマンスを発揮する。F8トリブートの0→200km/h加速は7.8秒だが、それ以外の数値は変わらない。

モータースポーツで培われた最新のエアロダイナミクスやビークルダイナミクスも、F8トリブートと同様のものが採用されている。サイドスリップコントロールは一層の進化を遂げ、FDE(フェラーリ ダイナミック エンハンサーシステム)と呼ばれる横方向のダイナミクス制御システムも備えている。

気になる日本仕様の価格やデビュー時期は、いまのところ未定。だが、先代の488はGTBとスパイダーの価格差が約400万円だったから、F8スパイダーの日本仕様は3600万円を超えてしまうのだろうか…。

画像: その美しいオープンスタイルを日本でも早くみたいものだ。

その美しいオープンスタイルを日本でも早くみたいものだ。

フェラーリ F8スパイダー 主要諸元(本国仕様)

●全長×全幅×全高:4611×1979×1206mm
●ホイールベース:2650mm
●乾燥重量:1400kg(オプション装着車)
●エンジン種類:V8 DOHCツインターボ
●排気量:3902cc
●最高出力:720ps/7000rpm
●最大トルク:770Nm/3250rpm
●トランスミッション:7速DCT
●タイヤ:前245/35ZR20、後305/30ZR20
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD

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