国産乗用車初のV8を開発。主力機M型6気筒も投入
■RS40/MS40系(1962年9月〜)
トヨタはクラウンによって日本の高級セダン市場をリードした。だが、7年間も基本設計を変えなかったため、台頭するライバルに対し古さが目に付くようになってきた。そこで1962年(昭和37年)9月に初のモデルチェンジを行い、2代目となるRS40/RS41系クラウンが登場した。
話題をさらったのは、気品あふれる美しいシルエットだ。小型車枠の中に収めているが、伸びやかで、押しが強い。フロントグリルはトヨタの頭文字「T」をモチーフにした端正なデザインで、その両側に4灯式のデュアルヘッドランプを配した。
ドアは、この2代目から前後とも前ヒンジのスイングドアに変更されている。精緻なプレス技術にも目を見張った。複雑なラインを破綻なくまとめている。リアコンビネーションランプは丸型デザインだ。
インテリアもモダンに生まれ変わった。インパネは高さを抑えた水平基調のデザインとし、ドライバーの前に横長のメーターを置いている。シートも上質な織物を奢った。クラウンならではの優雅な世界を上手に表現した。
フレーム構造は高い強度を持つX型フレームだ。サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン、リアはスタンダードを除き、トレーリングアームにラテラルロッドを追加した4リンク式である。
パワーユニットは3R型直列4気筒OHVを受け継いだ。2種類のチューニングがあり、オーナードライバーを狙ったデラックスは最高出力90ps/最大トルク14.5kgmを発生する。トランスミッションは3速MTとオーバードライブ付き3速MT、そして2速ATのトヨグライドを設定した。1963年9月、3速MTをフルシンクロ化している。また、トヨグライドも全自動タイプとなり、洗練度を高めた。
東京オリンピックの開催を10月に控えた1964年春、日本で初めてV型8気筒エンジンを積むVIPサルーン〝クラウン・エイト〞を市場に送り込んだ。ホイールベースを50mm延ばし、全幅を1850mまで広げてプレステージ性を高めた。純毛のカーペットや西陣織シート地のパワーシートなど、内装も贅の限りを尽くしている。また、日本初のオートドライブをオプション設定し、注目を集めた。
エンジンはオールアルミ製の90度V型8気筒OHVだ。乾燥重量は152kgに抑えられている。排気量は2599ccで、最高出力115ps/最大トルク20.0kgmというスペックだった。
1965年秋には新開発のM型直列6気筒SOHCエンジンをラインアップに加え、これが主役となる。M型エンジンの排気量は1988ccで、シングルキャブ仕様とSU型ツインキャブ仕様が用意された。プレミアムスポーツセダンの先駆けとなったクラウンSが積むM-B型はSU型キャブを2基装着し、125ps/16.5kgmを発生する。トランスミッションはフロアシフトの4速MTだ。1966年にはスーパーデラックスも設定された。
クラウン デラックス(1962年)主要諸元
●全長×全幅×全高:4610×1695×1460mm
●ホイールベース:2690mm
●重量:1265kg
●エンジン型式・種類:3R型・直4 OHV
●排気量:1897cc
●最高出力:90ps/5000rpm
●最大トルク:14.5kgm/3400rpm
●トランスミッション:3速コラムMT+OD
●タイヤサイズ:7.00-13-4PR
●価格:105万円