トヨタ ヤリスのホットバージョン、グレード名はGRMNではなく「GR-4」?
その出自(?)に相応しく、世界初公開の場に選ばれたのはWRC最終戦オーストラリアの舞台となるウェディング・ベルズ。欧州トヨタの公式ツイッターによれば、ワールドプレミアの様子はライブ配信されるという。
今回、明らかにされた画像はリアビューの一部のみだが、そこに躍るのは「GR-4」という文字(タイトル写真参照)。恐らくグレード名だと思われるが、それが暗示するのは現行ワールドラリーカー(ヤリスWRC)と同じく4輪駆動を採用しているということ。ラリー車は前後に機械式ディファレンシャルを備え、トルクスプリット機構を設けたアクティブ・センター・ディファレンシャルを備える。
これがそのまま「GR-4」に移植される可能性は低いものの、耐久性やメンテナンス面をクリアした量産車に相応しいシステムが搭載されると考えるべきだろう。新型ヤリスの開発関係者も「外観以外はほぼ専用開発!」と断言していたが、相当な力作であることは間違いない。
現在WRCに参戦している現行ヤリスWRCには、ラリー専用に開発された1.6Lの4気筒直噴ターボを搭載するが、今回公開された「ヤリス GR-4」では専用開発の3気筒ターボエンジンとなる。これは新型ヤリスに採用されるTNGA-Bプラットフォームが3気筒エンジン搭載に特化されているからだ。排気量には諸説あるが、1.5Lまたは1.6Lのどちらか。そのパフォーマンスは、市販車であることを考えると250馬力前後に落ち着くと予想する。
エクステリアは、欧州仕様(3ナンバーボディ)をベースにさらなる拡幅が行われていることがタイトル写真からもうかがわれる。ただし、現行ヤリスWRカーは欧州仕様の3ドアボディをベースとしているが、「GR-4」は5ドアボディだ。
新型ヤリスのWRC投入は2022年か? GR-4はイメージリーダーとして先行発売
巷では2020年シーズンから新型ヤリスをベースとしたWRカーが投入されるとウワサされているが、これは難しいかも知れない。と言うのも、2022年シーズンにレギュレーションの大規模な変更を控えているからだ。それを受けて2020年〜2021年シーズンは、各参戦メーカーともに今シーズン(2019年)のマシンに改良を加えて闘うという暗黙の了解が出来ているという情報がある。つまり、我々が期待する新型ヤリスの実戦デビューは、2022年シーズンとなるかも知れないのだ。
ちなみに2022年シーズンから市販ボディに加えパイプフレーム車がOKとなり、パワートレーンはハイブリッドに統一される方向で調整が進んでいるらしい。つまり、新型ヤリス・ベースの新型マシンがWRCに参戦するのは2022年シーズンからとなる可能性が濃厚だ。もっとも「GR-4」の市販開始がそこまで延びるとは考えにくい。WRCと市販車をつなぐ架け橋として、また新型ヤリスのイメージリーダーとして、2020年内には発売されると考える。まずは2019年11月17日の公開を楽しみに待ちたい。